石積みアート・ロックバランシングが話題のようです。

ゆりかがロックバランシングの世界に飛び込んでいこうとするのですが…。 ロックバランシングやケルン,マイケル・グラブを交えながらわかりやすく解説

2016/09/27

カープ飛鳥

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ロックバランシング ケルン マイケル・グラブ 話題 石積みアート 重力接着 エンタメ つげ義春

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  • ロックバランシングをご存知でしょうか? 石が信じられないバランスで積み重なっている…その不思議な世界にゆりかが飛び込みたいようです。

  • ねーねー、ただし。今度の日曜日ヒマ?

  • 急になに〜?ん〜ヒマっていうか次の日学校だし、笑点見たりしなきゃならないし…。

  • つまりヒマだね! 川に行こうよ!

  • 川?

  • そう、川。

  • 荒川?多摩川?

  • うーん、多摩川かな。

  • やだし。 なんで川なんて行かないといけないかわからないし。

  • これ見てよ!

  • なになに〜?

  • ふぁあ!なんだしこれは!
    石が積み上がってる〜!

なんかすげー
まじかよ
  • これやりに行こうよ!
    ロックバランシングって言うんだって!

  • ロックバランシング?

  • そう。いまや世界中の川で、人気のアートなんだって!
    これ接着剤とか一切つかってないんだって!

  • そりゃそうだし〜。接着剤とか使ったら、自然にわるいし〜。

  • なにそれらしいこと言ってるのよ!でもそうだよ!接着剤なんて使っちゃだめ!
    この道で有名なアメリカ人、マイケル・グラブさんのつくる作品は、すべての石がバランスだけで成り立っていて、まるで重力をコントロールするその技は、「重力接着」と呼ばれているんだって!

  • グラブさん?野球みたいな名前だしw

  • 私の師匠をバカにするのか、おいコラ!

  • ごめんだし。

  • これから師匠みたいになるために、特訓するんだ!

  • つくりたい!

無理だろw
  • がんばってください〜、応援してるし〜。

  • おまえも一緒にやるんだよ!

  • うわー、石は投げちゃだめなんだし〜!

  • さとしはやってみたくないの、これ?ロックバランシング。

  • そりゃあこんなのができたら楽しいだろうなとか思うし、なんかインスタの世界でちやほやされそうだし、いいなと思うけど〜。

  • じゃあやればいいじゃん。

  • ぜったい何度も失敗するし〜。

  • 何回でもやり直せばいいじゃん。

  • くじけるし〜。

  • 刺されとか気になるし〜。

  • 服濡れるし〜。

  • 日焼けしたくないし〜。

  • この、アートのこころを露も持たない愚か者の豚がっ!!!

  • うわ〜、石は投げちゃだめなんだし〜!痛いし〜!

  • …………!!

  • うわ〜!!!

  • ……。

  • ねーねー。

  • ねーねー。

  • サトル!

  • なんだ、ゆりか!

  • インスタでこんな画像を見つけたんだけど、見て!

  • …しかたねーなあ。どれどれ。

  • …これはなんだ、石か?

  • 石だよ。

  • 石か。そうか。

  • …。

  • …。

  • ねー、なんか感想ないの?

  • 石がなんで、こんなことになるんだ?

  • すごいよね?(やってみたいよね!)

  • 石がなぜ、このようなバランスで自立することが成立するのだ?

  • すごいよね!(やってみたいよね?!)

  • すごいよね!!(やってみたいよね!!)

  • 地球には重力があり、大地には風が吹き、海は満ち引きを繰り返している。それでいて、このように石がビミョウなバランスで持って積み上がることなど、なぜできるのだろうかっ?

  • すごいよね!!!(やってみたいよね!!!)

  • 山を登れば、道しるべや遭難者の慰霊のための、石積み(ケルン)を見ることがあるが、これはその石積みをアートの領域に押し上げているっ…!

    このアートはわずかなバランスでそれが達成されている以上、逆に言えばわずかなバランスの崩れによりすべてが崩壊することが予想されるそのため、形ののこらない無形的なアートであるにもかかわらず、石はそこに存在するという意味において有形…!

  • …何を言ってるのかわからないんですけど。

  • もちろん、おまえのような浅はかな人間に、アートのことが理解できるとは思っていない。それは、しょうがない。

  • えー!でもこの石の積み上げてるのがすごいのはわかるんですけど。

  • どのようにすごいと言えるのか言って聞かせてみろ!

  • えー!だって、そこらへんの河原の石を持ってきて、そしたらこんなきれいな感じになってるっていうのがすごいじゃん!

  • はーー。

  • やれやれ、そうだな…。 それにしても、河原の石と言えば、つげ義春の『石を売る』という名作漫画を思い出すことができる。あれは、さえないおっさんがそのへんの石をひろってきて売っている、というだけの、文字通りロックな漫画であった。誰もいない夕暮れの多摩川河川敷に簡易なテントが侘しくたたずみ、寝そべるおっさんの寂寞たる姿にわたしは感動したものであった。

  • …。

  • そんな感じがするよね、この石のアート。

  • …。

  • まあお前みたいな無駄飯食いには、アートについて私がいくら雄弁に語っても、理解できないか…。

  • 仕方のないことだ。まあ広いこころでどうか許そう。

  • うるさい、頭でっかちの、手足動かさないくせに態度だけでかい、虫かごの中のカブトムシが!!

  • うわ〜、石投げたらだめだ〜!痛い〜!

  • うるさい、言葉の海で、いや言葉の川で受け止めてみろ!

  • ……!!

  • うわ〜!!!

  • よい子は人間に石を投げないでね!

    石は積むもの!

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