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地震の影響で旅行のキャンセルなどが相次いでいるそうですが、『おんせん県おおいた』は元気に営業中!だということをお伝えしたく、早速観光にやってきた、ただしとサトル。二人の珍道中が始まります。
極楽と地獄が同居する大分県。ただしがおんせん県おおいたの別府を旅するようです。
大分県民は地獄と聞いて喜ぶらしい、なんで? 大分県や別府市,温泉を交えながらわかりやすく解説
2016/05/31
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大分空港だし!羽田空港から飛行機で1時間30分。やっと大分に着いたし。さっそく荷物をおろして温泉に行くし。
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東京から1時間半でこれるのに、空港から県庁所在地まで1時間ってどうなってるの?なんでこんな遠くに空港作ったし?
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それは大分県七不思議のひとつに数えられる、県民でもわからない謎だ。
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もっと早く、着く方法はないし?新幹線は?
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残念ながら、大分県に新幹線は開通してないし、空港からJRの鉄道すら通っていない。空港まで高速道路が全線開通したのでこれでも早くなったほうだぞ。
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それまで、大分県民は空港に行くまでどうしてたんだし。
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ホーバーフェリーだ。大分市内から空港までなんと20分。
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ホーバーフェリーってなんだし!!
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知らないのもしかたあるまい。世界広しといえど、ホーバーフェリーが運用されていたのは大分県だけだしな。ホーバーフェリーとは船体の下から空気を出してエアーホッケーのように海の上を滑っていく船だ。乗りごこちといったら、絶叫しないジェットコースターだな。
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楽しそうだし、早速のるし。空港の端に見えるあの広いところがフェリー乗り場だし。
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いや、ホーバーフェリーは高速道路の開通と同時に廃止され、大分県民は自家用車かバスで来るようになった。大分県は公共交通網が発展していないから自動車移動するのが一番便利なんだ。さぁ空港近くのレンタカーを借りて出かけるぞ。最初の目的地は別府市だ。
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別府?温泉だしね。極楽だし。
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極楽どころか地獄だぞ!
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どういうことだし!!!
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いってみてのお楽しみだ。フフフフフフ。
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ガクガク…
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レンタカーで別府市内に移動した二人。
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たまごの腐ったようなにおいがするし。
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それは硫黄だな。温泉から噴出す硫黄のにおいが町中に漂っているんだ。大分県民はこの匂いを嗅ぐと別府にきたなぁって気になるんだ。別府は温泉湧出量日本一、いたるところに温泉がわいてるぞ。うわさでは別府の川は温泉が流れこんでるから、メダカの代わりに熱帯魚のグッピーが泳いでるらしいぞ。
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うそだろ!!
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大分県七不思議のひとつだ。
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源泉数も日本一で源泉の温度は100度を超えるものもある。山の上のほうほど温度が高く海に行くほど低くい。別府の温泉はこの熱い源泉をどうやって入浴適温の42℃にするかの戦いだった。
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そんなの簡単だし!!水を入れたらいいんだし。
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バカタレ!!
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水を入れたら温泉成分が薄まって意味がなくなるではないか!!温泉のお湯を冷ますために別府は地元にたくさん生えている竹に注目した。切った竹の枝に熱々の源泉をかけると気化熱であっというまに適温になるんだ。
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おお!すごいし。
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さぁ、話をしているうちに目的地に着いたぞ。ここが別府地獄めぐりだ!!
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わぁ、看板にも『ようこそ地獄へ』って書いてあるし。でも怖い感じぜんぜんないし。
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今でこそ、整備された観光地だが、大昔は、どこに熱湯が溜まっているか、どこから蒸気が噴出すか、いつ有毒が発生するかわからなくて、それはもう地獄と呼んでもおかしくない場所だったんだ。
それを観光地として発展させたのが油相場で一発当てた大金持ち、油屋熊八だ。熊八は観光バス会社を作り「地獄めぐりツアー」を行った。それは100年たった今でも別府観光の基本になっていて。油屋熊八は別府観光の父と呼ばれている。
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聞いたことある名前だと思ったら別府駅に立ってたブロンズ像の人だし。変なおじさんだと思ってたけど、すごい人なんだし。
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さぁ地獄の門をくぐるぞ。
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いえーい
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地獄めぐりは、海のようなコバルトブルーの『海地獄』泥の下から上がってくる蒸気が海坊主のように見える『鬼石坊主地獄』山のいたるところから蒸気が上がる『山地獄』蒸気の熱で供物を調理していた言い伝えのある『かまど地獄』大量のワニがいる別名ワニ地獄の『鬼山地獄』温泉の色が白い『白池地獄』温泉が血の色に見える『血の池地獄』間欠泉の噴出す『竜巻地獄』の8つの地獄を巡るんだ。
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ふぅ、疲れたし。おなかすいたし。
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よし、食堂に入ろう。
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ぎゃぁ!!ここにも地獄だし。辛そうだし!!
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それは、地獄めぐり名物の地獄ちゃんぽんと地獄蒸しプリンだな。別府は温泉の蒸気を上手に利用して食材を調理してるんだ。温泉を使った料理を地獄と呼んでいる。
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温泉たまごもいただくし。 これはおんせん玉子じゃないし、固ゆで玉子だし。
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卵は65℃から68℃くらいのお湯に30分ほど、つけておくと白身より先に黄身が固まるんだ。その状態のものを通常おんせん玉子と呼んでいる。固まった黄身が固まっていない白身の上に浮かんでいる様子を、温泉に入っているようだと見立てたものだ。しかし、別府では温泉で作ったもののみを温泉たまごという。しかも硫黄のにおい付き。それ以外は半熟玉子だ。
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地獄料理むちゃくちゃおいしいし。なんだか地獄が楽しくなってきたし。
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さぁ腹がいっぱいになったら次は別府八湯温泉道だ。
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なんだし、別府八湯温泉道っていうのは?
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別府に来てまだ温泉に入っていないだろ。
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そういえばそうだし。
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別府には8つの違う種類の温泉があるんだ。別府温泉・観海寺温泉・浜脇温泉・堀田温泉・明礬温泉・鉄輪温泉・亀川温泉・紫石温泉だ。このうち8箇所の温泉に入浴すると初段に認定してもらえる。それから8つ巡るごとに昇段していき、88箇所巡ったら名人に認定される。ちなみに”鉄輪”を”かんなわ”と読めたらかなりの大分通だ。
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熱くなってきたし。
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もしかして全部巡るつもりか?
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当然だし、僕はやるといったらやるし、前人未到の究極名人目指してヒアウィーゴー!!
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……。
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まさか、最初の温泉でのぼせるとは。
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だって、別府の温泉と言ったらシンフロだし。
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あぁ、大分県が観光のために作った『おんせん県おおいた』の。 許可なしに温泉でやったらダメだと気づけよ。
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僕の華麗なシンクロをみんなに見せたかったし。
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カバが溺れてるようにしか見えなかったぞ。
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もう、温泉は腹いっぱい堪能しただし、夜の街に繰り出すし。
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そうだな、別府の夜と言ったら『流しのはっちゃんぶんちゃん』と『ヒットパレードクラブ』だな。
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それは、なんだし。
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別府の飲食店で飲んでいるとギターとアコーディオンをもった『流しのはっちゃんぶんちゃん』という二人組がやってくるんだ。
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流し…?
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流しってのはお客さんのリクエストに合わせて楽器を引いて歌う人だな。時には流しの伴奏でお客が歌うこともある。流しは有線放送とカラオケの普及で今や絶滅危惧種だ。ふたりとも高齢でやめようと思ったこともあったが別府市民に愛されて続け未だに続けている。
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会ってみたいし。
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『ヒットパレードクラブ』というのはアメリカンヒットポップスやビートルズ、日本のグループサウンドを毎晩演奏しているナイトクラブだ。80年代の音楽に合わせて踊るのは楽しいぞ。
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随分老けてると思ってたけど、サトルはいったい何歳なんだし。
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この『ヒットパレードクラブ』は一度経営困難でつぶれたんだ。でも大分県内外から惜しむ声がでて再建された。再建のために日本中を営業して回ったヒットパレードクラブの音楽バンド”ヒットパレーダーズ”の力も大きい。
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ヒットパレードクラブすごいし。
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大分県はいいところがたくさんある。しかし、県民の多くはそれがいい所だと気づいていないんだ。
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なんでだし。
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大分が過ごしやすく、大分から出たことがない人が多いので、他県と比べたことがないんだ。だからどうしても宣伝下手になってしう。逆に県外から来た観光客に大分のいいところを教えてもらうという始末だ。
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僕も大分のいいところいっぱい紹介するし!大分の観光大使に任命してほしいだし。
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さっしー大分なんだしー!
でも、大分の良さを知ってる人は、今こそ周りの人にアピールするのが支援になるし!
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そうだな。観光大使は何人いたっていいもんな。
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みんなも大分いいとこだから遊びにくるしー!
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おわり