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ただしが台所に立って揚げ物をしています。フビライ・ハンについて興味を持ったようですが、やはり勘違いしてるみたい。サトルがフビライ・ハンについて教えてくれるようです。
中国皇帝フビライ・ハンはなぜ日本を侵略しようとしたのか。ただしがフビライ・ハンについて学ぶようです。
元寇とはいったいなんだったのか? フビライ・ハンや元寇,モンゴルを交えながらわかりやすく解説
2016/06/04
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塩コショウ振って、パン粉つけて、油の温度オッケーだし!
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おっ、料理とはめずらしい。雨でも降らなきゃいいがな。
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何をいってる、僕はネットカフェで美味しんぼを全巻読破した料理の鉄人だし!
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まったく、信頼性がないな。いったい何を作ってるんだ。
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エビフライだし!合コンであった女子大生がエビフライご飯にはまってるって言ってたから作ってあげるんだし。
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なぜわかるし!超能力者だし?!
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わかるのは、お前の耳と記憶力の悪さだ!!
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イタイし!!殴ることないし。
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だいたいエビフライであってるということか…ぶぉつ!!
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フビライ・ハンって誰だし?彼女と仲良くなりたいから教えてくれし。
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チンギスハン?どっかで聞いたことあるだし?
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ええい思い出せ!!
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そんなに殴ることないし!馬鹿になるし!! ところで二人とも名前にハンがつくけどハンさんという苗字だしか?
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いい質問だな。ハンというのは王という意味だ。ちなみにハーンと伸ばすと皇帝になる。本当のカァンと発音なので日本ではフビライ・ハンまたはクビライカンなどいろんな表記がされている。
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ところでジパングというのは知っているか?
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知ってるし、黄金の国ジパングだし!!男のロマンだし!どこにあるんだろう!ジパング。いってみたいなジパング
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ジパングは日本のことだぞ。ジパングが変化してジャパンになったんだ。
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なんだと!!
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そのジパングについて書かれた本が東方見聞録。書いたのはマルコポーロだ。マルコポーロは東アジアで見聞きしたことを東方見聞録にまとめてヨーロッパに紹介した。マルコポーロが日本には来たという史料はないから、中国で聞いた話を書いたんだろうな。
そのころの中国はフビライ・ハンが治めていた元の時代だ。東方見聞録には日本の建物は黄金で作られているとかかれている。
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すごいぞ、黄金の国は本当にあったんだし。
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確かに奥州の藤原氏あたりは豊富な金をで中国と貿易してたらしいが、建物まるごと金で作るのはありえない。どうやら当時の中国人は日本の金箔という技術を知らず、金箔をふんだんに使ってつくられた中尊寺金色堂を金だけでつくられた建物と勘違いしたようだ。
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なんだ張りぼてだし、がっかりしたし。
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それでも、当時の日本に大量の金があったことには間違いない。そこで中国皇帝のフビライ・ハンは日本を手に入れようと考えた。しかしいきなり侵略しようとしたんじゃない。まずは、穏便に日本と仲良くしようと手紙が届けられた。
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おお、日中友好だし。隣国同士なかよくするし。
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その手紙にはこう書かれていた。
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野蛮な日本人は偉大な私のことをまだ知らないから、まだ挨拶にこないのだろう、武力で制圧される前に頭を下げて家来になったほうが良いぞよ
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なんて失礼な手紙だし!完全に脅しじゃないかし!
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自分たち以外野蛮人だという思想をもった彼らにしてみたらずいぶん譲歩してるんだけどな。しかし、そのころ日本を治めていたのは鎌倉幕府。武力でもって日本を統治していた鎌倉武士にとって、武力の脅しに屈するわけには行かない。来るなら来い!といって無視したんだ。
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で、どうなったし?
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来たんだよ。
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何が?
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元の軍隊が…船に乗って…九州に…来たんだよ!!
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逃げなきゃ!!キャーバタバタ!キャーバタバタ!
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まてまて、そこは鎌倉武士。馬に乗った大将が勇ましく現れ「やーやーわれこそは…」と名乗りを上げたんだ。当時の武士の戦い方はまず両軍の大将が一人ずつでてきて自己紹介したあと一対一で戦うのが常識だったからね。
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で、どうなったし。
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名乗りを上げてるうちに三人の兵隊に囲まれてやられちゃった。
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どっちが野蛮なんだし!
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戦いのルールが日本と元では違ったんだな。元の兵士にとっては、わざわざやられに一人ででてくるの何なの。馬鹿なの?ってとこだろう。さらに元軍には中国で発明された火薬で弾をとばす”てつはう”という最新武器もあり、幕府軍はかなり劣勢だった。
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日本大ピンチじゃないかし!
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しかし日本にとって有利なことがあった。日本と中国の間には海があり、大量の軍隊も馬も運ぶことができず、元軍は最大の武器である騎兵を使うことができなかったんだ。
なんとか夜までがんばって、明日はダメかな?!って思ってたら、びっくり。朝になったら海に停泊していた元の船が一隻もいなかったんだ。
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何が起きたんだし?
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夜のうちに暴風雨が来て、船が全部沈んでいた。日本では神風が吹いたといわれている。さすがに全滅というのは大げさかもしれないが、元軍が引き上げてしまったのはありえない話ではない。当時元の船は侵略したばかりの高麗でつくられていた。高麗というのは朝鮮半島にあった国だ。
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ところでただし、ヤンキーにボコボコにされた上に、言うこと聞かされて、川を渡る船を作れって言われたらどうする。
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そんなの、まじめに作るわけないし、川の途中で沈むように穴を空けておくし!
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そうだよな、高麗の人もそう思った。むりやり作らされた船は暴風雨で簡単に沈むほど粗悪なものだったんだ。さらに、遊牧民族で海を知らなかった元の兵士達は泳げなかったんだ。
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なんだし!泳げないし、船は壊れるし、それは恐怖だし!!
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日本にそこそこダメージも与えたし、元軍の強さもわかったろうから「これくらいにしといてやるわ」といって引き上げていったというのが今の見解だ。一方鎌倉幕府もラッキーはあったものの元軍に勝ったつもりだ。
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元の皇帝フビライは改めて手紙を送ってくる。
「元軍の強さはわかっただろ、俺に従え」という内容だ。
元軍に勝ったつもりでいる鎌倉幕府は「ふざけるな」っと手紙を持ってきた使者を殺してしまった。
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で、どうなっただし?
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来たんだよ。
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何が?
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元の軍隊が…船に乗って…また九州に…来たんだよ!!
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逃げなきゃ!!キャーバタバタ!キャーバタバタ!
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が、またラッキーなことに暴風雨がやってきて元軍に壊滅的なダメージを与える。
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ラッキー!!やっぱり、日本には神様がついてるんだし!
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このラッキーが後年、日本の外国に対する戦争の考え方に悪い影響を与えたんだな。日本には神様がついてるので、負けそうにになっても神風が吹いてなんとかなるという考えだ。それが神風特攻隊という最悪の結果を迎える。
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日本の神風信仰はそんな昔から始まってたし!
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この二つの戦いを合わせて元寇と呼ぶ。中国が日本に侵略戦争をしかけてきた最初の戦いだ。
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中国が日本に侵略してたなんて知らなかっただし。中国あやまるし!!
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「日中戦争の侵略に対してあやまれ!」という中国人に対して「だったら元寇の侵略あやまれよ!」という過激な日本人もいるからな。過去の戦争に対してどっちが悪いなんて言いあっても何の解決もしないのにな。
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そうだし、昔のことは水に流して仲良くするし。
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フビライ・ハンは3度目の日本侵攻を考えていたんだけど、度重なる外征と財政難で行われなかった。フビライ・ハンが崩御すると最大限広がった大モンゴル帝国は緩やかに衰退していった。やがて中国にできた明という国に追われ、遊牧民の国モンゴルに帰っていくことになる。
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モンゴル人も忙しい人たちだし。そんなに戦争ばかりしなきゃいいし。
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世界最強の軍隊をもち侵略という手段に頼ってしまうと、常に他国を侵略して略奪するという考えになってしまうんだな。我々もそのことを常に意識して生きていかないといけないな。
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そうだしね。
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実は、モンゴル帝国のジンギスカンは源義経だという説があってな、鎌倉幕府武士は、本気で義経の子孫が攻めてきたと思ってたらしいぞ。
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そんなバカな!
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おわり