第1話

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ヴィレッジヴァンガードの歴史を学びながらサブカル本屋をつくる 第1話

ヴィレヴァンに負けないし!センスで勝負だし! ヴィレッジヴァンガードや遊べる本屋,サブカルチャーを交えながらわかりやすく解説

2016/10/11

キザみのり

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ヴィレッジヴァンガード 遊べる本屋 サブカルチャー 経済 小売業 若者向け エンタメ

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  • ニート生活もプロの領域に入ってきた、ただしくん。そろそろ何かを始めなければと、部屋で求人誌をめくっています。

  • む~…なかなか良い求人がないんだし~。
    ここは賃金低すぎ、ここは家から遠すぎ、ここは…おっ!イイかも!! …なーんだ、資格がないから出来ないんだし~。

  • はぁ~?ただしの分際で何言ってんだよ。お前は仕事を選べる立場じゃないだろ。

  • いや。プロニートの誇りをかけて、声を大にして言わせてもらおう。
    ボクは、なるべく楽して金が欲しいんだし!!!

  • …清々しいほどの開き直りだな。逆に応援したくなってきたぜ。そうだ、ただし。楽したいなら、家で仕事をすれば良いんじゃねーか。

  • ほうほう…。

  • そんで、そこでお前の好きな漫画や本を売るのはどうだ。好きなモノに囲まれて仕事をするなら、楽しいんじゃねーか。

  • ほうほうほう…!!
    何て素敵なアイデア…。サトル~!!!やっぱり君は、天才なんだし~!!!!

  • フッ。俺にかかればこんなもんよ。

  • よし!!!ボク、本屋を開くし!!
    場所はボクんちだと狭すぎるから~…そうだ!近くに住んでるばあちゃんちの倉庫が空いてるから、あそこを使おう!!!

  • ヴィレヴァン?

  • あぁ~!あの、ヌイグルミが天井からぶら下がってたり、ビリヤード台の上に面白い雑貨や本が山積みに置いてあったり、なんかシュールDVDがいつも流れてる…

  • そうそう!所狭しと、いろんなジャンルのいろんな商品が置かれてる。各商品の説明として、店中に貼られてる黄色い手描き風のポップが、また独特なんだよな。

  • それでな、ただし。あれって本屋ってこと知ってたか?コンセプトは「遊べる本屋」なんだぞ。

  • へっ!?初耳だし!!本屋にしては、本じゃないもので溢れかえってるし…!?

  • ここで、ヴィレヴァンの歴史を追体験してみましょう。時は1972年。何やら、自堕落そうな青年が歩いています。

  • タイムスリップしたのは良いけど、えっと…あの人は誰なのかし?

  • おお!あれがヴィレッジヴァンガードの生みの親、菊地敬一氏だ!彼は、大学在学中に7度留年したり、卒業後すぐ入った会社を3ヵ月でバックレるなど、なかなかファンキーな青年だったんだ。

  • うおおお!!!なんてロックな生き方!!!惚れるし!!!

  • おや、菊地青年が喫茶店に入っていきます。ただしとサトルも彼を追います。

  • はいはい、なるほどね。ここがヴィレヴァンが生まれるきっかけにもなった喫茶店「MGミゼット」だな…。

  • シッ!サトル!声が大きいし!…で、ここの何がきっかけになったのかし?

  • まあ見てみろよ。あそこにカッケー車があるだろ?あの車の名前がMGミゼット。で、菊地青年は思ったんだ。「こんなふうに自分の好きなモノで溢れた、自由で開放的な空間のお店をできないか」ってな。

  • たしかに、喫茶店に車が置かれているお店はめずらしいし!!店のマスターのセンスがうかがえて、素敵なんだし!!

  • その後彼は出版社での営業、書店での経営などを学んだんだ。で、今ここが1982年。32歳になった菊地氏は支店長まで上りつめた。

  • おお!巻き返し方がハンパねえんだし!

  • ここからが面白いんだ。ある日彼は、書店の一角で、雑誌のバックナンバーやマイナーな漫画など、自分の価値観とセンスをふんだんに取り入れたコーナーを作ると、それが大好評だった。その時彼は悟ったんだ。「これが俺のMGミゼットだ」と。

  • ほうほう…。

  • 手応えを得た彼は、マンションを売却し、奥さんの貯金を強奪、嫌がる娘を転校させた。

  • で、ここが1986年。名古屋市天白区の中古農業用倉庫に、晴れてヴィレッジヴァンガード1号店をオープンさせた。この時38歳。どうだ、ただし。ご家族の状況を考えると鳥肌ものだろ?

  • うわあああ!!!最高にクレイジーなんだし!!!…いや、でもなんでまた、店の名前が「ヴィレッジヴァンガード」なのかし?やたら長くないし?

  • それにだって深ーいワケがあるんだよ。ジャズが好きだった菊地氏は当初、本屋でジャズのライブをやることもだったんだな。

  • で、ニューヨークにあるジャズクラブ「ヴィレッジヴァンガード」から名前をとったんだ。

  • わぁぁ…ニューヨークのジャズクラブだなんて…シャレオツ…

  • もっとも当初、念願のジャズライブin本屋!ってドラムを叩いてみたところ、倉庫づくりの店内にうるさく、ジャズライブはお蔵入りになってしまったんだが。

  • あこがれのシャレオツ本屋…ボクも早く作りたいんだし~!!!

  • おい、ただし!待てよ!

  • ばあちゃんちの倉庫にやってきた、ただしとサトル。ただしは、倉庫をキレイに掃除し、お気に入りのモノを広げます。

  • てか、ただし。お前、ここでお気に入りのモノを売って本当に良いのか?

  • あ、いっぱい持ってきたから大丈夫だし。最初はこれで乗り切って、売れてきたら新しい商品をドンドン仕入れるんだし~。

  • ったく、商売を舐めてやがるな。ヴィレヴァンは設立から、長い間「POS無し、値引き無し」をモットーに、担当者の経験を頼りに仕入れを行い、大量仕入れによる値引きは行っていなかったんだぞ。

  • システムに任せずに、担当者の仕入れの目利き・センスが非常に重要だったってことだ。

  • そんなことよりサトル~!商品のポップ書いてほしいし!
    何か面白いやつ考えてほしいし~!!

  • やれやれ…。まぁ確かに、商品の特徴を端的に、かつユーモラスに説明することがポップの役割だし、お前の文章力では無理だろうしな。

  • そういえば菊地氏も「とにかく面白い事を書いて、楽しく儲けよう」と、ポップの作成は社員に任せていたらしいしな… 。 でも俺はいつからお前の社員になったんだよ…。

  • 作業を始めて3時間が経ちました。ただしのお気に入りのモノが並べられています。お気に入りの図鑑には「まさに高反発枕!」青いペロペロキャンディーには「自然界に存在しない色!」と、パンチの効いたポップが各商品に付けられています。

  • よし…ついにボクのお店が完成だし~!!!
    店の名前は、そうだなあ…「ブックストアただし」略して「ブスだし」!!

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  • な、なんつーネーミングセンスだよ。文句にしか聞こえねーぞ。まあ、とにかく店を開けるぞ!

  • どうなるヴィレヴァン、そして「ブスだし」?

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