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都内近郊に点在する赤いお店、蒙古タンメン中本。
今回は甘党なただしがその禁断の扉を開けるようです。
スイーツが食べたいと言ったら蒙古タンメン中本に連れて来られたし!
この赤いのはイチゴソースかな? 蒙古タンメン中本やタンメン,北極を交えながらわかりやすく解説
2016/02/10
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サトルー、スイーツいこうしスイーツ!
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またスイーツかよ。 お前はOLか。
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OLっていうのは働く女性だし! ボクは働かないし女性でもないからまったく当てはまらないし!
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自慢気に言うな。 そんな甘いもんばっか食ってるとますます太るぞ。
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やだー! 最近ただでさえ太り気味なのに〜 気にしてるんだしー!
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だからOLか! 気持ち悪いな。
ちょっとその甘ったれた根性を叩き直す必要がありそうだな。
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きゃー、やめてくださいし! パワハラだし!
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まずはその甘えに甘えた口を直してやる。
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…。 部長…。 誰もいないからってし… オフィスラブはまんざらでもないだしが…。
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どこのOLだ。 いいから来い。
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いやー! ちょっぴり強引なのも悪くないし!
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そして連れて来られたのが、この赤いお店。
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んもう、強引なんだからし! この派手なお店はなんだし? あたしこのホテルは来たことないし〜
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ホテルじゃねえ、中本だ。
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ナカモト?
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スイーツ食べたかったんだろ。 好きなだけ食わせてやるよ。
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スイーツのお店なんだし! なんか目がヒリヒリするくらい赤いけど、女子っぽくていい感じだし。
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まずは食券を。 今日はおごってやるよ。
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いやーん、ステキ。
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ええと、☆いくつがいい?
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えー、そういうメニューなんだしね! かわいい☆ 北斗七星が好きだからー、七つにしようかし!
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おぉ…。 本気か…。 やるじゃねえか。お前、男だな。
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男だって言ってるし! ぷんぷん!
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じゃあ、この冷し五目味噌タンメンにしよう。
味噌タンメンスープと冷し味噌スープを合わせたWスープのつけ麺だ。
おれは普通に蒙古タンメンにしとこう。
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あ、ラーメン屋さんなんだしな。 まぁいいし。 デザート前にラーメンっていうのもアリなんだし。
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さ、席に。
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やっぱり女性客多いんだしなー。 人気のお店なんだし。
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そうだな、タイミングによっては過半数が女性だったりする。
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ラーメン屋さんも最近はそういうお店が多いんだし。
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お待ちどうさま。 こちら、冷し五目味噌タンメンと、蒙古タンメン。
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お、きたし。 あれ…?ずいぶん赤いし?
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うん、そうだな。赤い。
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いちごソースなのかし? なんか目がヒリヒリするけど気のせいなんだし。
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うん、気のせい気のせい。 さ、食おう。
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30分後
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うーん…。
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おーい、大丈夫かー。
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…ようやく、視界が、戻ってきたし…。 まだ、チカチカするんだし…。
※実際にはそんなこと起きません。
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そうか、視界が戻れば大丈夫だ。
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…まだ呼吸が、ちゃんと、戻ってきてないし…。
※実際に呼吸できなくなることはありません。
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そうか、まだ全身の臓器がびっくりしてんだな。じゃあしばらく待っててやる。
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なんなんだし、あれは…。 ひどすぎるし…。
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ひどいとはなんだよ。 せっかくおごってやったのに。
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スイーツだと思っておもいっきりすすったし…。
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馬鹿だな。 初めてで思いっきりすするなんて。
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スイーツだと思ってたし…。
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どっからどう見たらあれがスイーツショップなんだよ。
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赤は女の子の色だし…。
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蒙古タンメン中本は人気ナンバーワンの激辛ラーメンの店だぞ。
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先に言ってほしいし…。
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ちょっとは甘ったれた口をきけなくなったか?
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それより呼吸が怪しいし…。
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よし。中枢神経が戻るまで中本について教えてやろう。
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…。
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もともと1968年、板橋区で中本正氏が開店した中国料理中本が大元だ。 創業時から、辛い領地を追求していた。
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ああそうかし…。
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その味に惚れこんで20年通い詰めた白根誠氏という中本マニアが、今の経営者だ。
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どうかしてるし…。
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そうだな。 そのどうかしてる情熱に惹かれて、今もこれだけの中本マニアが集っている。
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そんなわけないし…。
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満員の客席を見ただろ。 しかも多くが女性だ。
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この国の女性はどうなってるんだし…。
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今では都内を中心に16もの店舗を展開している。
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16も…。
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辛さは10段階あるから、全く辛くないメニューもあるぞ。
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それから食べればよかったし…。
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たしかに最初に7の冷し五目味噌タンメンを行ったのは早すぎたな。看板メニューの蒙古タンメンを行くべきだった。あれは辛うまだぞ。
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しばらく辛いものについて考えたくもないし… あっ!!
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どうした?
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お腹が熱いし!
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そうだろうな。
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が!おなかが燃えるし!!
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大丈夫、それは普通の反応だ。 それが快感に変わる。
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あちいいいいし!!! おなかがあちいいいいし!!!!
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大丈夫だ、耐えろ。 その先にエルドラドが見える。
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あっ… でもこの感覚、クセになりそうだし…
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うむ。 わかってきたな。
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わかりたくないしいいいい!!! たぶん、体は拒絶してるんだし!!!! でも、、おなかがこの刺激をもう少し味わってたい感じだしいいいい!!!なんだしこのジレンマはあああああ!!!!
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そう、そのジレンマを誰もが感じるのだ。 中本とは舌で味わうものじゃない。全身で味わうものなのだ。
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あああああああ!!!!
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三日後…。
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サトル…。
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どうした? 体調は戻ったか
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…。 あそこに行きたいし…。
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…。ついに目覚めたな。
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認めたくないけど、体が欲してるんだし…。
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うむ。じゃあ、行くか。
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うう… 手が震えるし。 体が拒絶してるし…。
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大丈夫、もう一度食えばはっきりするさ。
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うう…。
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そしてまた中本に来た。
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こんどは控えめにしとくし! いきなり7はひどいし! うーん、じゃあボクは蒙古タンメン…
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おっと。
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あっ!
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あーすまんすまん、北極押しちゃった。
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ええっ?? 北極てなんだし??
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北極は北極だよ。 地球上で一番北にあるところだ。
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明らかにヤバイじゃないかし!! 辛さマークがいち、にい、さん…
じゅっこついてるし!!
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大丈夫だ、7を乗り越えたお前に怖いものはない。
そうだな、おれは6の五目蒙古タンメンいっとこうかなー。
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おおっとだし!!!
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あああっ!!
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あー、ごめんだしー。 なんか限定メニューの北極3倍ってのにしちゃったし。
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それはマズいよ…。
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まずくないし。うまいし。 サトルが教えてくれたんだし。
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…。 食おうか。
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覚悟を決めるし。
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すいませーん。 僕がこっちで、こいつがこっち。
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あっ!食券入れ替えるなし!!
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そうか? まぁ細かいことは気にするなよ。
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ガクガク… 武者震いが止まらないし。
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おれもだ… 実は北極は初めてなんだよ俺も。
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ボクなんか二度目だし。 しかもなんだし3倍って…。
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中本は店舗ごとや期間限定のメニューがいろいろあるんだよ。 全部が3倍を出してるわけじゃない。
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そんなレアメニュー押すなし…。
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お待ちどうさま! こちら北極、北極3倍です!
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…ゴクリ。
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…ゴクリ。
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まずはスープを一口…
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あああああああああ!!!!!!
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か、からあああああい!
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これは限度を超えてるし!!
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こっちもだ!!!
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ただの北極が何を言ってるんだしいいい!!! こちとら三倍だしいいい!!! スープが真っ赤を通り越して黒ずんでるし!! 唐辛子でトロットロだしいいいいい!!!!
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血の池地獄のようだ…。 ハフハフ。
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でも…でも…止まらないし! なんか止まらないし!!!
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うん、これがクセになるんだ! ただ辛いだけじゃなく、うまいんだ。 ほら、唐辛子追加してやる!
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なにしてんだし!!!
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辛いのが止まらいんだろ? もっと辛いところへ行こうぜ〜
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とか言いながら、自分はこっそり何入れてんだし!
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あ、バレたか、これはトッピングのバターだ。 これ入れるとかなりマイルドになってうまいんだぜ。
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ず、ズルするなし!!!
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うるさい、黙って自分の丼と勝負しろ、それが中本だ! あ、店舗ごとの限定メニューはカレンダーにもなってるぞ。
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あああああああ!!!!! からああああああい!!!! つらああああああい!!!! でも止まらなああああああい!!!
からうま!!
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うん、こいつももう、立派な中毒だな。
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中本行きたくなってきましたね。おわり!