第1話
キッチュこと松尾貴史さんってどんな人? 第1話
ただしが松尾貴史さんになりたいそうです。 松尾貴史やリリパットアーミー,カレーを交えながらわかりやすく解説
2016/09/20
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サトルっ!!
サトルは将来の事を真面目に考えているのかし!!
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また面倒くさい感じになってるな…
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なんだしその言い方は!
いいかし?
将来の事を真面目に考えないで生きるなんて恥ずべき事なんだし!
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まてまてまて、俺は将来の事を考えていないなんて一言でも言ったか?お前が勝手に決め付けたんだろうが。悪いが俺はお前が思っている以上に考えているぞ。
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じゃあ聞くがそういうお前は将来をどう考えているんだ?
将来何になりたいんだ?まあ、「何になりたい」という年でもないだろうが……。
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自由人だし
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なんだそれ。
自由人なんていう職業は聞いた事がないけどな。
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サトルはまだまだ甘いし〜。
いいかし?
今の時代、職種と職種の壁なんて
曖昧なものなんだし!
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例えば、タレントさんが絵を描いたり、文学を書いたり、歌を唄ったり、不動産をやったり、株をやったり、喫茶店を始めたり、そういう職業の壁なんて存在しないんだし!!
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なるほどな。確かにお前の言っている事も一理ある。が、それはそういう「才能」や「立場」を持っている人がやるからこそ成功するものなんだぞ。
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今のお前に何があるというんだ?趣味といえばネット回線だけは必要以上に高速の6畳一間(バストイレ共同)に引き篭もって美少女フィギュアを積み上げ、そのすべてをパソコンでデータベース化しているくらいじゃないか?
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それが悪いのかし?差別だし!!問題だし!教育委員会に言いつけるし!
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いいつける場所が違うような気もするが、差別の気持ちで言ったわけではないぞ。つまりはその今のお前の唯一の趣味をどうやって仕事、あるいは他の事に繋げていくか、繋げる事ができるか、それが一番の問題なんじゃないのか?
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た、確かにそうかもしれないし……。 ボクはこのままじゃ普通のオタクとして一生を終えていくかもしれないし!
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普通、かどうかは別として、まあその確率は高いだろうな。
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ボク、将来が心配になってきたし!好きな事をしているだけで世の中はなんとかなると思っていたし!
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お前はコジコジかよ……。 そういう時、こういうやり方があるんだ。まず、自分に無理やりでもいいから「一番近いと思われる」肩書きを考えてみる。
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例えば、実際に本を出版したりしていなくても、文章を書いて好きで好きでいつかその世界でお金を稼ぐようになりたい!でも今の自分にはコンビニのバイト以外何もない……。と、思っていても、自分の肩書きを「フリーター」でなく、「小説家」とか「ライター」と名乗る、思い込む事によって次のステップが見えてくる。
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なるほどだし!自己暗示みたいなものかし?
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う〜ん、50点。 この作戦はお前の言ったように「自己暗示」的な要素も持っているが、誰かに自分の事を伝える時にも役に立つんだ。
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ほら、人ってなんだかんだ言っても「肩書き」を知りたがるだろ?お前がコジコジみたいに、「ただしはただしだよ」って面接で言ったところでよほどの面接官じゃないと理解はしてくれないものなんだよ。
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そういうものなんだし。世の中って厳しいし……。
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まあそれが現実だ。 が、世の中にはある意味お前がなりたいと言っていたように、ある意味で自由人、堅くいえば本当にたくさんの肩書きを持った人がいるんだ。
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えええ??だ、誰かし?教えて欲しいし!!
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そ、れ、は!俺が言葉に出して言った事はないが、心の奥深くで尊敬している、 「松尾貴史」さん、だーーーー!
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急にアントニオな感じのテンションになったし。
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そりゃそうだ。今まで声に出して言った事がなく、初めて人に尊敬しているという事を言ったんだからな。
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松尾貴史さんだしか!ボク、もちろんお名前は知っているけど、どんな活動をされているかは知らないんだし。
コメンテーターをしていたり、役者さんをしていたり、確か、折り紙もやっていたし……。って……。こ、これだし!ボクが求めていた人は!良い意味で本職が分からない!これこそがボクの理想形なんだし!
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だろ。だと思って俺も松尾貴史さんのお名前を出したんだよ。 松尾貴史さん、本名「岸邦浩」さん。世間的に「キッチュ」の愛称でも有名だよな。
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キッチュ!知ってるし!でも、キッチュってどういう意味かし?も、もしかしてキスとかそういう意味かし……(ドキドキ)
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違うわ!キッチュ、Kischとはドイツ語で「芸術家気取りのまがい物」または「けばけばしい、古臭さ、安っぽさ」を取り入れた美意識。みたいな意味を持つんだ。
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早くも難しくなってきたし……。もっと単純な意味かと思っていたし……。
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まあ、単純といえば単純だが、受け取る人によって角度が違う感じ、そして、自分をわざと蔑むみたいな含みも持っているんだよな。 ファンとしてはその感覚がすごくわかるんだ、松尾さんにぴったりというか……。
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なるほどだし!バカバカしい事も角度によって芸術になる「かも」みたいな感じかし?
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お前らしくない芸術的な言葉だな。まさにその通りだと俺は思う。
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で、で、キッチュさんはどんな人生を送ってきたんだし?
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人生……。いや、その壮大な部分はもちろん俺たち他人は知る術はないが、表に出ている情報なら俺が話してやろう。
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わかったし!楽しみだし!
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芸術家気取りっていうより、ちゃんとアート活動してるし。
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1984年芸能事務所「大滝エージェンシー」に所属し、中島らもさんと運命的な出会いをするんだ。
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こ、この時点ですごいし……。デザインを勉強されていたのも知らなかったし! でも、考えてみると色々な物へのセンスの良さはそういうところから来ているのかもしれないし。
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中島らもさんに「一生ついていこう!」と決めた松尾さんは、1986年、らもさんの劇団「笑殺軍団リリパットアーミー」の旗揚げにも参加。 そして同劇団に4年間在籍した。
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らもさんの劇団にいたんだし。 デザイナーから役者になったんだし。
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らもさんから古舘さん。 なんか、エンタメのエリートって感じだし……。
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非常に興味深い人生、松尾貴史さんのお話は次回へ続く。(※9/22 お昼ごろ更新予定!)