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インド仏教一億人の指導者は日本人? 前代未聞の日本人仏僧、佐々井秀嶺って誰だし?? 第1話

インドに渡って仏教を率いる佐々井秀嶺、そのルーツとは? 佐々井秀嶺やインド仏教,釈迦を交えながらわかりやすく解説

2016/07/03

中本二郎

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  • 仏教発祥の地、インドには仏教徒が一億人いると言われています。

    その指導者ってどんな人? なんと、日本から移住して帰化した、日系インド人。 今回はその破天荒な人生に触れます。

  • あ〜…だるいし。 またインド旅行 でも行きたいし〜。

  • インドで腹こわして大変だったろうが。 もう忘れたのか?

  • 慣れないところに行ったらお腹くらい壊すしー。 だいたい、僕は日本に合ってないんだしー。 仕事しろとか税金払えとかやかましいし…。 インド人は税金なんか払ってないし。

  • お金持ちは払ってるだろ。 インドだって中国に並ぶ大国なんだから、税金とらなきゃまわらないだろうが。

  • インドで会った人たちが払ってるとはとても思えないし…。

  • まぁたしかに、10億人いるからそんなの払ってない人が大半だろうけどな…。

  • そうだし。いいこと思いついたし。 このまま日本でハロワに通ってても仕事なんて見つかりっこないんだから、インドに渡ってお坊さんになるんだし!

    インドの山奥で修行したって言ったらきっと箔がつくし!!

  • そんな厳しい修行がお前にできるわけないだろ…。 と言いたいところだが、まぁ、日本で正社員になるよりはリアルかもしれないな。

  • そうだし? イチローみたいに、海外に行ってこそ花開くタイプなんだし! 僕のスケールは日本に収まらないんだし!

    そうと決まったらさっそく旅の準備だし!

  • まぁ止めはしないが。 お前以前に、インドへ渡った日本人仏僧がいるぞ。

  • えー? いるのかし? そういう人もいるだろうし。 まぁ、イチローの前にも、野茂英雄とかマック鈴木とかいたし。 偉大な記録でそれを塗り替えちゃえばいいんだし。

  • 塗り替えられればな…。 インドには、1億人の仏教徒がいるが、その人はその頂点、指導者になったんだ。

  • えっ…。 インドで仏教のトップ…? お釈迦様みたいなポジションだし?

  • お釈迦様は仏教の創始者だから違うけどな。 現代の仏教においては、おそらく世界一の人口を抱え、それを束ねているのがその人と言えるだろう。その名は佐々井秀嶺。

    mikaさん(@yoshiokamika)が投稿した写真 -

  • ささいしゅうれい…? 初めて聞いたし。 なんでイチローみたいに有名じゃないんだし?

  • 日本のメディアで取り上げられることはほとんどないからな。 いちど、フジテレビのドキュメンタリーで放送されたが。それで佐々井師の名を知った人も多いだろうな。

  • へー。 それにしても、インドで仏教徒が1億人ってすごい数だし!!

    …と思ったけど、もっと多いかと思ったし? だって人口10億人くらいいるし? 仏教といえばインドだし?

  • お前はインド旅行でなにを観てたんだよ。 インドでは大半がヒンズー教。 お釈迦様だって、もともとバラモン教だったんだから。

  • へー! そうだったのかし! たしかに、仏像よりもガネーシャとかシヴァとかクリシュナの像が多かったし。

  • ヒンズー教でも、お釈迦様はストーリーの中に組み込まれてるけどな。ある意味、ユダヤ教とキリスト教、イスラム教のような兄弟関係にはあるが、教義はぜんぜん違う。

  • そうだったのかし。 どう違うんだし?

  • それについて話すと長くなるから…。 佐々井師がインドでこれだけの指導者になった本質の部分でいえば、やはりカースト制度が大きい。

  • カースト…。 たしかに、インドでカーストの存在ははっきりわかったし。

    お金持ちの住んでいるところはすっごいゴージャスだけど、貧乏な人はいつもゴミ拾いばっかりしてるし…。

  • そう、カーストでは、生まれつき階級がはっきりと決められていて、ハリジャン(不可触賎民)だったらずっとハリジャンだし、中には泥棒カーストなんてのもあって、ずっと泥棒をしていなきゃいけない。

  • ひどい話だし…。 だからインドはあんなに泥棒が多かったんだし。

  • そういう人たちを、仏教に改宗させることで解放する運動をやっていたから佐々井師はこれだけの指導者になったんだ。 これは、インドで生まれ育った仏教徒には無理かもしれないな。

  • なるほどだし。 よそ者だからイノベーションが起こせるんだし。

  • そういうことだな。 紀元前5世紀に生まれたインドにおける仏教は、非暴力主義であったため、13世紀から大虐殺を受け、ほぼ姿を消しかけた。

  • ええっ! インドで生まれたのにインドで消えかけたし??

  • それからかなり勢力は弱まったが、1966年、33歳で佐々井秀嶺がインドに渡って、その歴史は大きく変わった。

  • すごいスケールのでかい話だし…。

  • ヒンズー教において釈迦は、ヴィシュヌ神の9番目の化身で、偽の宗教を広め、世の中を乱したと言われているんだ。

  • ひどい話だし! 日本じゃ神様仏様だし!

  • 仏教は、お釈迦様が教えを文書で残していなくて、弟子の口伝がメインだから、いろんな宗派があるんだよ。

    それでも、多くの教えは、とにかく庶民を働かせて搾取しようという支配者層からすれば不都合なものが多い。

  • たしかにそうかもしれないし。 カーストほど支配者に都合いい制度もないし。

  • そうだな。 苦しんでいた下層カーストの人たちは、もはやその不遇な状況に疑問すら持たないようになっていた。 インド行ってそれは感じたと思うが。

  • …言われてみればそうだったし。 お腹いたくてそれどころじゃなかったし。

    でも、そんなものすごい制度を、どうやって一億人ぶんもひっくり返したし…。インドじゃ少ないように感じるけど、一億人っていったら日本の人口くらいだし…。

  • それには、佐々井師の若かりし頃にさかのぼる…。

  • …ゴクリ。

    きっと、イチローみたいに子供の頃から仏教の特訓してたんだし。 振り子説法とかマスターして、コーチと衝突したんだし。

  • 子供の頃から、性的なことに好奇心旺盛だったという。

  • ほうほう…。 それはなんだか親近感が湧くし。 僕も仏教指導者に向いているのかもしれないし。

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  • そして、小学五年生にして、童貞を失ったという。

  • …急に親近感が萎えたし。 一気にインドよりも遠い存在になったし。

  • さらに、終戦のタイミングでは村中の壁に、「戦争に負けていきびだ」と書いて回ったという。

  • いきび? イビキだし?

  • いきびってのは「いい気味だ」ということだな。 多くの人が亡くなった戦争を始めたやつ、煽ったやつにむけて書いたということだ。

    翌日大人たちにボコボコにされたそうだが、その反骨精神は現在に至るまで持ち続けている。

  • ハンパないし…。

  • 14歳のときに、父の炭焼きの仕事の手伝いで山に入ったときに足を滑らせて崖から転落、負傷して生死の境をさまよう。

    蛇の心臓を毎日摂って、一命をとりとめたという。

  • 危なかったし…。 ここで死んじゃってたら一億人の運命が変わってたし。

  • 熱は下がったものの、気力を失ってしまい、高校に進学するも退学してしまい、引きこもって悶々とした生活を送ったという。

  • また親近感が湧いてきたし…。 僕は毎日そんな感じだし。

  • それでも十六歳になり、奮起して上京。 東京正生院という精神鍛錬の塾に入り、綿屋に就職して働くも、女遊びが原因で辞めることに。

  • やっぱり女好きは治ってないんだし…。

  • 落ち込んで故郷岡山に戻り、地元で商売をするが、それもうまくいかず。人生に行き詰まり、北海道へ旅立つが、青函連絡船から飛び降りて自殺を図る。

  • まだ若いのに、この時点でかなり波乱万丈だし!

  • しかし船員に止められて、これも未遂に終わる。

  • かなりあぶなっかしいし! これから一億人を救うんだからしっかりしてくれし!!

  • 23歳になって、高校に入り直すもやはり学業に集中できずに中退。

  • 二度も高校中退!ある意味すごいし。

  • 25歳のときに、いっそ僧侶になろうと教徒比叡山に赴くも。学歴不足を理由に断られてしまう。曹洞宗に各宗派に頼み込んでも同じだった。

  • お坊さんになるにも学歴かし…。 世知辛いし…。

  • ここで、佐々井青年は大菩薩峠で二度目の自殺未遂。

  • 青函連絡船とか大菩薩峠とか、いちいち自殺するところがドラマチックだし。

  • その後、山梨にある大善寺に拾われ、仏僧として修行をすることになる。

  • ようやくお坊さんになったし!!

  • 1960年、師の薦めで高尾山薬王院で得度を受け、正式に仏僧・佐々井秀嶺となる。

  • 25歳かし。 一休さんとか子供の頃からやってるから、けっこう遅咲きだし。

  • ここの師匠である井上秀祐師は、戦中でも不殺生の教えに基づき戦争反対の立場を貫いて、250日にもわたって勾留されたことがある、魂の仏教者であった。

    この師との出会いが、佐々井青年の運命を変えたのだ!

  • ここから大僧侶への道が始まるし!?

  • つづく!

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