-
相変わらずニート生活を送っているただし。駅前を歩いていると見知らぬおじさんに道を尋ねられました。質問に答えるも、おじさんの話す少し変わった言葉に興味が湧いたようです。
めんそーれ沖縄。ただしが「うちなーぐち」に影響されるし!
うちなーぐちに興味を持ったさ〜 うちなーぐちや沖縄,方言札を交えながらわかりやすく解説
2016/06/23
1
-
はぁ、さすがに仕事がない生活、不安だし…。
-
でも、人々があくせく働く平日の昼間からこうしてのんびりお散歩できるのは、ニートの特権だし!ニート最高!
-
ちょっとすいません。
-
ん?ぼく?
-
そうさー、そこのニートの兄さんよ。ちょっと、聞きたいことがあるんだけどよー。
-
りょうかいだし!何を聞きたいんだし?
-
内地に引っ越した親戚に会いに来たんだけどよー。迎え来るって行ってたのに、遅れるみたいだからさー。
-
それは困っちゃうし。
-
だからよー。ここで待ってるのもあれだからなにかおいしいものでも食べたいからよー、どこかおいしいレストラン知らないねー?
-
それなら、いちおう向こうに有名なお蕎麦屋さんがあるしー。
-
おそばねー、いいねー。行ってみるさー。どうもね兄さん、どうも。にふぇーでーびる。
-
えっ、でびる?
-
じゃあまたねえ兄さん。はーもう、やーさんやさ。スタコラサッサ。
-
おお、すごいスピードで去って行ったし。
-
それにしてもなんだか変わった言葉遣い、とうかもはや意味が理解できなかったし。
-
なんだか気になるからサトルに尋ねてみるしー。
-
1時間後、サトルの家
-
…という出来事があったんだしー。
-
なるほどな。それは沖縄の方言だ。うちなーぐちってやつだな。
-
ふむふむ。しゃべり方とか語尾もそうだけど、中にはまったく意味不明な言葉もあったしー。
-
例えばどんな言葉だ?
-
にふぇーでーびる?多分そんな感じだったし。
-
それはありがとうって意味だな。
-
そうだったんだし。悪魔的な何かだと思ったし。
-
でびるの部分だけだな。
-
すごい独特の話し方だったしー。
-
厳密にはおっちゃんが使ってた言葉は方言と共通語を混合して使ってる感じだな。アクセントや語尾がちょっと変わってたり、今でもよく使われる方言の単語がつい出ちゃったり、といった感じだ。
-
確かに、方言の言葉じゃない部分はちゃんと理解できたし。
-
沖縄の方言を自在に操れる人は少なくなっているが、沖縄出身の人たちなら年が若くてもだいたいそういった喋り方だぞ。おれの経験上での話しだけどな。
-
※ 全ての人じゃないので気をつけて!
-
「さー」って語尾を多用してたし。変わった語尾だし。
-
お前の「だし」もずいぶん変わってるけどな。それはどの地方の方言なんだよ。
-
うちなーぐち、ちょっと独特で笑えるし。
-
そうだな。沖縄出身のお笑い芸人さん達はネタのひとつとして積極的に取り入れてたりするよな。
-
ああ、確かにテレビでタレントさん達が方言で話してるのを見たことあるし!
-
最近だと、じゅん選手っていうお笑い芸人さんが沖縄の方言に詳しくて、うちなーぐちだけでゴールデンボンバーの「女々しくて」をカバーしたりしてたな。
-
なんだしそれ!おもしろそうだし~。
-
「女々しくて」の部分が「いなぐふーじー」ってなってたな。ほぼ聞き取れないか、意味を理解出来なくて面白かったぞ。
-
後でネット検索してみるし!
-
うちなーぐちってのは一種の芸みたいなものなんだな。それと、沖縄の方言も沖縄本島の地域や、離島によって言葉やアクセントが異なるんだよ。
-
ってことは、沖縄の方言はひとつだけじゃないってことだし?
-
言語学的にも色々な分類方があるみたいだが、単に耳で聞いても違いは明らかだぞ。
-
例えばどんなものがあるんだし?
-
「みゃーふくつ」と呼ばれる宮古地方の方言では、感謝を表す際に「たんでぃがーたんでぃ」というそうだ。
-
えっ、さっきの「にふぇーでーびる」とはぜんぜん違うし!
-
そうだろ?それも面白いんだよ。「にふぇーでーびる」は沖縄本島中南部辺りで用いられる言葉で、その地域で使われる沖縄の方言がうちなーぐちと呼ばれているんだ。
-
へー。結構ふくざつだしー。
-
琉球王国の時代に、中央政府が言語を統制するほどの力がなかったため、細分化が進んだといわれているぞ。
-
※ 諸説あります!
-
いつごろから沖縄の人たちは日本語を話すようになったんだし?
-
詳しくはよくわからないが、明治時代の1900年代に入ってから、標準語教育が沖縄で行われ始めたらしい。
-
たったの100年前だし!結構最近のように感じるし。
-
方言を話すと首に方言札と記された板をかけられたそうだ。晒し者にするためだな。
-
ええっ!なんだか厳しいし!
-
そんなこんなで、若者の多くは方言を使えないのさ。
-
なんだかうちなーぐちを話せたらかっこよさそうだし。
-
沖縄出身でもないただしがペラペラなら面白そうだな!
-
ちょっと練習してみよっかなだし。
-
ただしは時間だけはたくさんあるからな。
-
なんだかむかつくけどサトルの言うとおりだし。
-
じゃあこのうちなーぐちの教本片手にちょっくら沖縄行ってみるか!
-
沖縄本島・那覇国際通り
-
来ちゃったし。
-
うちなーぐち身に付けるぞー!
-
何事も実践だし!でも、誰と練習するんだし?
-
おれだよ。
-
えっ、サトルと?
-
そうだ。
-
サトルうちなーぐち喋れるんだし?
-
ぺらぺらだぞ。おれにまかちょーけ(任せなさい)。
-
じゃあ沖縄来なくてもサトルの家で練習すれば良かったんだし…
-
まあこういうのは気分が大切だからな。
-
言われてみるとちょっとだけ気分が高揚してる気がするし。
-
そうだろ、じゃあさっそく。はいさい!
-
はいさい!
-
ようこそ沖縄へ~、めんそーれー(ようこそ、もしくはいらっしゃい)。
-
どうしてサトルがようこそって言うんだし。サトルもぼくと同じないちゃー(日本本土から来た人)だし。
-
だから、こういうのは気分が大事って言っただろ。はいこれ、サーターアンダギー。うさかみそーれー(召し上がれ)。
-
くわっちーさびら(いただきます)。うん、まーさん(おいしい)。
-
なかなかいけるじゃないか。
-
結構かんたんかもしれないし!
-
じゃあ今度は実践。街行く人々に話しかけてみるんだ!
-
余裕だし!向こうの時間を持て余していそうな女性に話しかけてみるし!すいませーん。
-
失礼なこと言うんじゃないぞー!おれはジェフで待ってるぞー。
-
※ ジェフとは、沖縄地域にのみ店舗を構えるファストフードのお店。
-
ちょっとそこのおばさん。
-
はい。
-
おばさん、はいさい。
-
えっ、なんねこの人。突然。おばさんって、失礼だわ。
-
えーっと、みーどぅさる、がんじゅやみせーみ?(久しぶり、元気だった?)
-
えっ、私あなたと会うの初めてですけど。
-
おっと、緊張して場違いな言葉を吐いてしまったし。
-
また、下手に方言に興味を持ったないちゃーだわ。
-
※ 沖縄の一部の人々は、本土から来た観光客が使う方言に不快感を示すことがある。バカにされていると思っているようである。状況にもよるが、恥をかきたくないのなら乱用は避けたほうがいいかもしれない。(もちろん、沖縄の文化に対して興味を持ってくれているんだ、という好意的な反応を示す人の方が多数を占める)
-
どうした、おば子?
-
なんだか急にこの人が話しかけてきて。
-
あら、こちらの男性にも。はいさい!
-
はあ?なんかやー(なんだお前)?
-
おっとなんだかイヤな予感がするし。
-
多分、ナンパ目的だと思う。ずっと私のことイヤらしい目で見てたわ。
-
ええっ!?ぼくまったくそんなつもりは!時間を持て余していそうだなと思っただけだし!そうでもなければこんなおばさんに声をかけたりしないし!
-
えーやー調子のんなよやー!(おいお前調子乗ってんじゃねえぞ)。しなさりんどー!(ぶっとばすぞ)
-
えーっ!
-
※ 女性の彼氏が使っている言葉は、よく沖縄のヤンキーが用いる表現である。沖縄に住んでいる方であれば、小学校時代もしくは中学生時代に一度は耳にしたことがあるだろう。あまり丁寧な表現じゃないから、使わないほうがいいかも…。
-
サトル~。(ぼこぼこになったただし)
-
この短時間の間にいったい何があったんだよ!?
-
悪そうなお兄ちゃんにぼっこぼこにされたしー。
-
どうやったらそういう展開になるんだ……ある種才能あるな…。
-
コメディアンの血が勝手に…
-
おわり