第3話

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ただし達が夏の風物詩ということで怪談話をするそうです 第3話

恐怖・テイラーの子供時代 怪談話や怖い話,百物語を交えながらわかりやすく解説

2016/08/26

えいすけこばやし

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怪談話 怖い話 百物語 話題 幽霊 おばけ 心霊

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  • 続きです!

  • …想像したら確かにそれは怖いし!!!!
    サトルたちはどうなるんだし!!!
    助けてくれし!!

  • まあ続きを聞いてくれよ。
     
    お地蔵さんは確かに怖かったんだが、逆にいえば人が住んでいるという事。人が住んでいる場所に近づいているという証明でもあるからな。
    それからまたその獣道のような道を、草をかき分けるように歩いていると、遠くからなにか音? が聞こえてきたんだよ。

  • よかったわね!
    きっとお祭りのお囃子とかね!!

  • ああ、助かったっぽいな。結構怖い話だったな……。

  • いや、ここからなんだよ……。

  • それでな、一体なんの音だ? 声か? と三人で耳を澄ましていると……。
    どうやらゆりかが言ったようにお祭りのお囃子のようなんだ。正確にはお神輿を子供たちが担いで声を出している感じかな。
     
    わっしょい、わっしょい! みたいな。

  • …ちょっとやめてよ…。

  • 俺たちは、素直に助かった! と思ってその声のする方向へ歩いていこうとしたんだが、どうにもその方向が特定できないんだよ……。

    でも確実に、三人ともが確実にその声を聞いているんだ。

  • すると次第にその「わっしょい、わっしょい」の声が近づいてきているような錯覚? がしたんだわ。だから俺は、「声、近づいてきていますよね!」って本当に嬉しい悲鳴のような意見を言った。
    するとみんなそれにも同意見で、「よかったっすね!」「この声を追っていけばお祭りをやっている場所に着けますね!」 って。

  • …。

  • でもな、やっぱりどうにもその声がどこから聞こえるのかがわからないんだよ。それなのに、その声だけは確実に俺たちに近づいてきている気がした……。いや、もうこの時点では「気がした」ではなく、確実に近づいていた。
     
    さっきまではその声を嬉しいと思っていたけれど、なんだか不気味な感じさえ覚え始めていたんだよ。そしてその声はますます近づいてきた。

  • …ぁぅぁぅ…。

  • 「わっしょい、わっしょい、せーの、わっしょい」
     
    その声を俺たち三人が聞いているのが錯覚でないとしたら、その「わっしょい」の声はもう距離にして数十メートルの距離にいるような気がしたんだ。
    でも暗いのか、もしくは明るくても見えないものが近づいているのか、一切声以外でその存在を知ることはできない……。

  • 今まで俺たちは正直そこそこ色々な取材をしてきたし、危ない目にも逢ってきた、それはこういう職業ならではのもので、人が普段経験しないような経験を人一倍もしてきたという自負もある。
    でもそんな俺たちでもこの変な恐怖は初めてだった。

  • …もぅやめるし…。

  • すると、その声はもう想像するに10メートル? あるいは数メートル先から聞こえているような大音量になってきた! でも何も見えない! 更に更に更に更に更に、その「わっしょい! わっしょい! せーの!」の声はもう目の前、いや、耳元のすぐ先にいるような大音量になった。

    そして……。

  • もうやめて〜〜!!

  • もう耳の中、いや、頭の中に入ってきたような感覚になった時
     
    「わっしょい、わっしょい!」の声が、突然!
     
     
    「でていけ! でていけ!!!!! せーの!」
     
    と……。

  • ……。気絶……するし……。

  • そして気がつくと俺たちは朝になっていて、俺たちはその無人駅の近くに倒れていたんだ。
    帰ってから、カメラマンが撮ったお地蔵さんの写真を現像すると、そこにはお地蔵さんの前というか空中に赤いお神輿のようなものと、子供たちのような姿が写っていた……。

  • …か、かなりやばい話だな……。それで、そのお祭りってなんだったんだ?

  • それが気になるし……。
    今ならインターネットで情報があるかもしれないし!

  • それがな、俺たちも取材のプロだ。
    後日、ネットなどで調べてみたんだが、どうやらそのお祭りは俺たちが行く数年前にやらなくなっていて、そのやらなくなった原因がお祭り中におかしくなった奴が乱入して子供を……。
    という事件があったようなんだ……。

  • ……。

  • ……。

  • もう、もうダメだし!
    本当にやめたほうがいいし!!
     
    即刻中止するべきだし!!

  • いや、ダメだ。ちゃんと100個の話をしようぜ。それがすごく大事だと思うんだ。
     
    もう俺たちは引き返してはいけない。

  • 何よ、急になにかに取り憑かれたみたいな口調で言うのやめてよ!! 怖いわよ!!

  • でもその通りだと思う。次は俺だよな。よし!!
     
    ええとなあ、ゆりかとサトルはそれぞれ最近の話だったんだけどな、俺の話は結構前のことになっちゃうんだよな……。それでもいいかい?

  • もちろんだし! なんでもいいから早く終わって欲しいし……。

  • おい、その言い方はないだろよ。
    テイラーがせっかく昔のことを思い出して話してくれるんだから。

  • そうよ、ただし。その言い方はないわ。

  • だって、すごい怖そうなんだし……。話す前からなんとなくわかるし……。

  • 確かにな……。

  • なんだなんだ、そろそろ話していいかい?
    じゃあロウソクに火をつけるぞ。シュっと。
    おお、いい感じだな。
     
    あのですね、これはそうだなあ、もう20年以上、俺が小学校3年生くらいの時だな。
    ちょうど今くらいのお盆の時期でね、静岡の田舎のおばあちゃんの家に帰省したんだわ。その時は、親はいけなくて、俺だけで行くことになったんだ。

  • ボクはさっきの話でちょっともらしちゃってるし。

  • きたないわね!

  • 新幹線に乗るのが楽しみでな~、東京駅まで送ってもらって、富士でおばあちゃんに迎えに来てもらった。
    俺には全く同世代の従兄弟の男の子がいたから、そいつと遊ぶのが田舎に行く一番の楽しみだった。

  • うんうん、わかる。

  • が、ちょうどその日は小学校で夏休みのクラブがあったらしくて、おばあちゃんの家に着いた午後3時頃にはそいつはいなかったんだ。

    これはみんな分かってもらえる感覚だと思うんだけどな、同世代とかがいない田舎のおばあちゃん、おじいちゃんの家ほど暇なものはないんだよな……。

  • わかるし……。その感じ……。やることがテレビを見るくらいしかないんだし……。

  • 当時は携帯もネットもないからな、ただしの言うように興味のないニュースを見たり、畑をウロウロしたりするしかなかった。
    ああ、早く帰ってこないかな~って。そのうちに、おばあちゃんが気にしてくれたみたいで、「テイラーちゃん、近くにおいしいケーキ屋があるから行っておいで」って、1000円を渡してくれたんだ。

  • いいおばあちゃんだし。 ボクのおばあちゃんはせいぜい50円だったし。駄菓子屋限定だし。

  • でもな、俺はケーキ屋さんがどこにあるのかわからないし、正直一人で田舎の道を歩くのがちょっと怖かったんだよ。おばあちゃんはそんな俺に簡単な地図を描いて持たしてくれた。
     
    そして俺の本当に小さな小さなケーキを買いに行く旅が始まったんだ。

  • そのケーキ屋にはどんなケーキが売っているんだし? モンブランだし?

  • 話の大事な部分はそこじゃねえだろ……。

  • でもここまで全く怖いという感じはないわよね。むしろ、すごくいい話って感じ。

  • そうなんだよ。ここまでは本当にただの楽しいお盆休み、夏休みだったはずなんだわ。
    でもな、この小さなケーキを買いに行く旅で恐ろしいものに遭遇してしまうんだ……。

  • …。

  • そのケーキ屋までの道はな、本当に細い路地を通っていくんだが、ほら、田舎ってさ、急にお墓があったりするだろう……。
    そこもその例にもれず、細い路地の両側に結構大きなお墓があって、言い換えるとお墓の中の細い道を通っていく感じになるんだ。

  • いきなりケーキからお墓の話かし…。 熱帯魚なら浮いてるし…。

  • でな、その両側のお墓と道の境にはブロック塀みたいなものと緑のフェンスで遮られていたんだ。フェンス越しにはもちろんがっつりとお墓が見えるんだけどな、たまに出てくるブロック塀は小学生の俺の背よりも高くてな、ちょうど頭の上くらいになる感じだった。

  • リアルなお墓の描写はやめてほしいし…。

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