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第2話

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ただしが獺祭に興味を持ったようです。 第2話

獺祭・その技術と心意気!安いだけじゃない本当の価値の秘密に迫るし!! 二割三分やその先へ,山田錦を交えながらわかりやすく解説

2016/12/02

小野小餅

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二割三分 その先へ 山田錦 売り逃し 寒造早槽 三割九分 スパークリング 等外 規格外 旭酒造株式会社 獺祭 グルメ 日本酒

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  • 合コンでダッサイと言われ傷心のただしに、ゆりかが獺祭について教えてくれています。ハイテク日本酒、獺祭の正体とは…?

  • なるほど、そうやってハイテクで機械化して人件費減らして安く造れるようにしたんだし?

ふむふむ
  • それが機械によるオートメーション、ってわけでもないのよ。温度や成分比を細かくデータとして管理はしてるんだけど、作業の殆どは社員さんの手作業。

  • ああ、それは地元の雇用にも繋がるし、いいんだろうなぁ。

  • バカ高いすごい機械を入れてる会社もあるけど、それだとその費用回収っていう大きな「目的」が出来ちゃうから…。コスト削減しすぎて味を落としちゃった蔵もいくつかあったりするしねぇ…

  • ああ…どことは言わないが…

  • まあ、今まで地元売りだけだった物を全国展開するために機械を導入、味は変わらないけど消費者が勝手に機械仕込みってイメージ付けて悪く言うだけ、っていうのもあるけど。その点獺祭は最初から工場生産って謳ってるからイメージも落ちようがないわね。

  • しかも人手はかかっても専門職を雇わなくていい分、値段も下げられた、ってわけか。

  • それで、あんまり高級品って値段じゃない大吟醸がたくさん出回って、ブームになったって事?

  • そうよ。実際、酒屋としてもありがたいのよね。いつも同じ味の酒が、いつ発注かけても届くんだもの。売り逃しが無いの。

  • 売り逃し?

  • 例えばある蔵のお酒がね、全国番組でとりあげられたりして一気に知名度が上がったとするでしょう?でも、仕込んだお酒はもう決まった量しかないから、次の年のお酒が出来てくるまで品切れ状態になる。欲しいと言ってくれるお客さんは居るのに品物が無くて売れない、っていうのが「売り逃し」。

  • それでブームを逃した蔵も数多いな…。

  • まあ、酒屋としてもまさか大吟醸で薄利多売が出来る世が来るとは予想もしてなかったけども。

  • あれ?って事は獺祭は、年に何回も仕込んでる?

  • そうよ。お米は工場じゃ作れないから年に一度の収穫だけど、それを調整して一年中絞りが出来るように仕込んでるのよ。

  • なるほどだし…でもそれじゃ新酒お蔵出しの楽しみはあんまり無い感じだし。

  • その辺が旭酒造のすごい所でな。そういうニーズに応えるために、寒仕込み限定酒もちゃんとあるんだ。「寒造早槽」っつーてな。毎年、ネット予約は瞬殺の人気だぞ。

  • とにかく、商売に関して貪欲ね。一度大失敗してるからかもしれないけど。

  • え、こんなすごいシステム確立させて何を失敗したんだし?

  • 地ビールに手を広げたんだけど、それがダメだったのねー。

  • ああ、聞いた事があるな。負債が2億近く出たとか。

  • なので、ってんでもないでしょうけど、得意分野をとことん極める戦略に出たのよね。それが精米技術。

  • 磨けば磨くほど高級になるんだっけ。

  • 本来は5割磨く…つまり「大吟醸」の称号を得るだけでもべらぼうだったんだがな、最近は精米技術もどんどん進んで、ついに獺祭が「5割なんか普通」ってとこまで持ってきやがった。

  • そんなわけで獺祭の基本は「50」。50%磨きです。 そこから進んで、まずは「三割九分」。

  • あの小さい米粒の、四割も残ってない米って、どんなんだし…

  • さらに「二割三分」。

  • もう、粉じゃないのかそこまで行くと…

  • 何のなんの、まだまだ「磨き その先へ」

  • まだ削っちゃうんだし…?

  • 具体的にどのくらい磨き込めたのかは公表されてないけど、二割三分がすでに「究極の磨き歩合」と言われてるわね。まるっと一週間かかるそうよ、磨くのに。

  • それをまだ磨いちゃったのかー…。

  • そんな感じでいつまでも「挑戦」の姿勢は崩さない所が、飽きずに愛飲され続ける所以でしょうね。

  • そんなすごいお酒だったんだな「獺祭」って…。漢字が読めずに合コン失敗したなんて、僕は本当にダサイ男だし…。

  • まあまあ。次にまたそういう機会があったら、女の子にはスパークリングもあるよってお勧めしてみたらいいんじゃないかしら。

  • 発泡系か。そんなのもあるのか。

  • 五割磨きのにごり酒ベースの物と、「三割九分」ベースの物があるのよ。その分お値段ははるけど、その辺のシャンパンなんかよりよっぽど美味いわよー。

  • 何だか話聞いてたら獺祭飲みたくなったし。ゆりかちゃん、お店からいくつか見繕って届けてほしいし。僕んちで皆で飲むし!

  • いいけど、予算あるの?

  • 合コンがうまく行ったら二次会三次会で使おうと思ってたお金がそのまま残ってるし。これで。

  • 毎度ありー!

  • じゃあせめて俺はツマミでも用意して行くかな。
    ああでも、そういえば飲み屋でしか飲めない獺祭もあるらしい、今度それも飲みに行ってみないか。

  • へー、本当に色々と戦略立てて商売してるんだし。どんなお酒だし?

  • 「獺祭等外」。確か、山田錦のクズ米で造った酒とか…

  • 廃棄品処理かよ!!

  • いやそういう悪い意味じゃなくてな、規格外に小さい粒の米とか形の悪い米とかが、五%程度毎年出るそうでな。それを三割五分まで磨いて磨き抜いて仕込む酒だそうだ。

  • クズでも磨けば光るって事だしね…。僕にピッタリだし。

  • いや…なんかお前が言う意味とは違う気はするが…まあいいか…。手間暇は従来品と変わらない、むしろそれ以上。だが「規格外品」を使っている以上「大吟醸」のラベルは貼れない。

  • ちゃんとお米使ってても、規格外だと「その他の原料」に分類されちゃう、って事?

  • そういう事。だから分類は「特別本醸造酒」になるかな。訳ありの酒。小売りするにはその辺の「事情」をラベルにぎっちり書かなきゃならない。

  • 書くのめんどくさいから飲み屋にしか降ろさないんだし?

  • いや、逆だ。農家が汗水たらして作った米は一粒たりとも無駄にしたくない、だからといって安く買い叩いて安い酒として売るのもしたくない。技術はしっかりつぎ込んだ、大吟醸と同じだけの値段に見合う物に仕上がったはず。
    そういう意気込みや「物語」を一緒に提供するには小売では無理だったそうだ。

  • 旭酒造…。どこまで漢気溢れた会社なんだし…!

  • 今から泣き上戸か?

  • うるさいし!!さあ、ゆりかちゃんもそろそろ戻ってくるだろうし宴会準備だし!!

  • そして二時間後

  • へーべーれーけーーーーーーーーー

  • …だから口当たりがいいからってカパカパ飲んだらすぐに回るぞと、あれほど言ったのに。大吟醸はゆっくり味わいながら楽しむ大人の酒だと。あれほど。

  • 獺祭の知識を得ても、ただしさんがただしさんである限りは「ダッサイ」のは変わらないのかしらねー。

  • おあとがーよろしいようでーぇ。ひっく。