第2話

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ただしが水木しげる先生を知るようです 第2話

水木サンは苦労人だし! 水木しげるや悪魔くん,ゲゲゲの女房を交えながらわかりやすく解説

2016/02/02

中本二郎

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水木しげる 悪魔くん ゲゲゲの女房 まんが 鬼太郎夜話 講談社 少年マガジン ビッグコミック ゲゲゲの鬼太郎 妖怪

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  • 惜しくも亡くなられた水しげる先生について、サトルから話を聞くただし。
    漫画家としてのデビューはなんと35歳という事実に驚く。そして話はようやく漫画家としての活動に…。

  • 鬼太郎の生みの親が、こんな大変な目にあってきたとは知らなかったんだし。

ゲゲゲのゲ
  • やっとデビューした後は、戦記もの、ホラー漫画、SF漫画、ギャグ漫画、少女漫画、時代劇と様々なジャンルで書きまくる。

  • やっと天職にめぐりあったんだし!

  • それでも、支払いが滞ったりして生活は苦しく、作風も暗くなり、さらに出版社に不評になり…と悪循環に陥っていった。

  • うーん…身につまされるし。

  • 両親の紹介で、40を前に結婚。 1960には「墓場鬼太郎」を執筆。これも陰鬱な作品だったが、前回言ったように、一通の読者からの手紙で打ち切りを回避し、じわじわと人気が広がってゆく。

  • 鬼太郎が水木サンを救ったんだし。

へー
  • その後、名物編集者・長井勝一率いる三洋社に移籍。 そこで「鬼太郎夜話」を出す。

  • 鬼太郎大活躍だし。

  • 鬼太郎夜話の鬼太郎は、お前の思ってる鬼太郎とはだいぶ違うぞ。

  • どういうことだし?

  • まず、ヘビースモーカーだ。

  • えっ! ぜんぜんイメージと違うし!

  • そして喫茶店でコーヒーを飲むのが大好き。

  • ルノアールにいるおっさんじゃないかし!

  • これは、戦地で過酷な経験をした水木サンが、平和に喫茶店でタバコとコーヒーを楽しみにしていたからだな。

  • 鬼太郎は水木サンの化身なんだし。

  • さらに鬼太郎夜話の鬼太郎は超、オンナ好きだ。

  • えーー!

  • 鬼太郎はベトナム戦争にも参加してるんだが、それも現地の女の子に助けを求められたから行ったんだ。

  • どんだけだし! 親近感ハンパないし!

  • セックスシーンもあるし、アニメ化されてどんどん角の取れていった鬼太郎とは別物だな。こっちが本物の鬼太郎だ。

  • き、鬼太郎!

  • 妖怪退治をするにしても、現地の妖怪たちは、人間によって土地が開発されてしまうことに困って人間に復讐をしていることが多く、これもまた戦地での先住民との交流が原点だな。

  • ふむふむ。

  • 極めつけが例のテーマソング。あれも水木サンの作詞だが、学校も行かないで朝寝してるのが幸せ、というのは先住民側の価値観だ。

  • なるほどだし。 一方で、所属してた部隊はせっかく生き延びたのに死ねと言ってきたから、どっちが進んだ文明なのかと思うのは無理ないし。

  • その通り。 そのあたりの生々しい体験は「総員玉砕せよ!」などの戦記で記されてる。

    また、この時期に出した「悪魔くん」という作品を知ってるか?

  • 知ってるし! エロイムエッサイムだし! 鬼太郎に似たような話だしな?

  • 鬼太郎と決定的に違うのは、悪魔くんは名前だけで、妖怪でも悪魔でもない人間なんだ。

  • あれ、そうだったしか。 悪魔くん騒動なんてのもあったしな。

  • 懐かしいな。 キラキラネームの祖か。 漫画の悪魔くんは、すごく頭のいい人間の男の子だ。 古文書などで呪文をみつけて、唱えることで悪魔を召喚する。

  • へー、鬼太郎は妖怪だから違うしな。

  • 悪魔くんにおける悪魔とは、経済を裏から操って格差を広げて人間社会を陥れるという存在だったんだ。

  • なんか妙にリアルだし!

  • そう、この時期の水木サンは、まだ働いても働いても生活が楽にならずにそういったルサンチマンを抱えていたんだな。

  • 悪魔くんも、水木サンの代弁者だったんだし。

  • あと、鬼太郎シリーズにおける敵の妖怪のボスといえば、誰だ?

  • ええと、ぬらりひょんだしな?

  • そう。一反木綿は空を飛べる、砂かけばばあは砂をかける、こなき爺は重くなって相手にしがみつく。ではぬらりひょんは何ができる?

  • えーーーっと…。あれ、思いつかないし。

  • ぬらりひょんは何か超能力があるわけじゃない。ただ、妖怪たちをまとめているボスであり、ときどき人間の街に爆弾を投げ込んで楽しんでたりする。

  • ただのテロリストじゃないかし!

  • そう、一番恐ろしいのはそうした、特別な能力を持たない人間自身という考え方が、悲惨な戦争を経験した水木サンの根本にはあったわけだ。

  • なるほどだし…。

  • そして1964年、結核から復帰した長井勝一が漫画ガロを創刊。 そこで看板漫画家として活躍する。 他には白土三平や、水木サンの元でアシスタントをしていた、つげ義春などもいた。

  • ガロは知ってるし。 水木サンも描いてたんだしな。

  • 翌年には少年マガジンで「テレビくん」を掲載、45歳にしてメジャー人気漫画家となる。

  • 45歳でやっと!だし!

  • 水木作品の影響で妖怪ブームが起こり、その翌年には、水木プロを立ち上げる。 つげ義春や鈴木翁二らが所属する。

  • 妖怪ウォッチ以前の、第一次妖怪ブームだしな。 やっと人生の春が来たんだし!

  • それでもブームが下火となり、1980年代前半にはまた苦しい時代が来る。 「妖怪なんていない」と悲観的になってしまっていたが、娘さんが修学旅行で妖怪「目々連」を見たという話をきいて、立ち直ったという。

  • 妖怪が助けてくれたんだし!!

  • そう。妖怪との橋渡し役の水木サンは常に、妖怪が味方についてくれてたんだな。 その後ブームが再燃、「のんのんばあとオレ」など、自分の好きなものを描けるようになる。「奇っ怪紳士録」なども面白いぞ。仙臺四郎、明恵など歴史上の変人たちを列伝形式で描いている。

  • 妖怪モノ以外にもいろいろあるんだしな。

  • 2010年には、奥さんが書いた「ゲゲゲの女房」がNHKの朝ドラにもなった。

    最後の作品となったのは、90歳を超えて連載開始した「私の日々」というビッグコミックに連載していたものだ。亡くなる直前まで現役でいられたのもすごいことだな。

  • 大器晩成にも程があるし。

  • 紫綬褒章旭日小綬章を受賞したから、先日のお別れの会では天皇陛下からも弔電が届いていたようだ。

  • 乙種合格の時代には考えられないことだしな。

  • ちなみに、水木サンも半分妖怪だったわけだが、お別れの会にはさかなクンも、例の格好のまま参列していた。

  • ははは、ウケるし! ふつうのお葬式だったら不謹慎だし!

  • まぁ、さかなクンも妖怪の一種だから、水木サンもそのほうが喜んでることだろう。

  • どこに妖怪が潜んでるかわからんしな!

  • うん、おれはお前も妖怪だと思ってるけど。

  • えっ…?? うーん、そうだったかもしれないし。

  • 朝は寝床でグーグーだし、学校も試験も嫌いだろ。

  • 大っ嫌いだし!

  • やっぱりかー。 そうじゃないかとは思ってたんだよ。

  • ボクも薄々、そんな気がしてたんだし。 人間社会のルールが合わなすぎるんだし! 朝起きて人を蹴落としてみんなと一緒に働いて、なんて無理な相談なんだし!

  • うん、じゃあ今日から妖怪として生きろ。

  • そうするし。 今後、ボクに用事がある時は妖怪ポストに手紙を送っといてくれし。

  • LINEでいいだろ…。

  • …まぁ、LINEは便利だから使うし。電波は妖怪アンテナがあるしな。

  • ドンキとかは必要ないな?

  • いや、ドンキとコンビニは徒歩圏内にないと困るし。 深夜まで空いてるファミレスも要るし。

  • ぜんぜん人間社会を捨てられてねえじゃねーか!

    びびびびびん!

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  • おわり

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