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聖書の人々ピックアップ。今回はヨセフです。創世記の中でもダントツの数奇な大冒険をした人物です。今回もただしが早速ヨセフになりきってスタンバイしているようです。
第1話
ただしがヨセフになったようです(旧約聖書【創世記】) 第1話
11男坊の奇妙な冒険の巻 ヨセフや旧約聖書,聖書を交えながらわかりやすく解説
2016/08/28
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僕はヨセフ!12人兄弟の11番目ヨセフ!!パパはイスラエルだし!!
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イスラエルについては前回の記事を参照してくれ。
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サトルは今回もツッコミナビゲーター天使だし?
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そこはその都度臨機応変に。
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了解だし!
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ヨセフは兄弟達の中でも特に父に可愛がられていました。特別にあつらえた晴れ着をいつも着せてもらっていました。それが異母兄である上の10人にとっては気に入らなくて仕方がありません。
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妬みとか嫉みとかわかんないんだし!僕は僕だし!所で先日こんな夢を見たんだし!
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夢ってのは神の啓示と取られるな。どんなんだ。
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僕と兄ちゃん達と弟がそれぞれ12の藁束になるんだし!
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ファンタジー人形劇かよ。
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で、他の藁束は地に伏して、ひと束だけ立っている僕の周りにひれ伏すんだし!
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お前それ兄貴達に話すなよ。
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とっくにお話しただし!
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…兄貴達怒ってただろ…。
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そうなんだし。なんでかなぁ、面白い夢だと思うんだけど。
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兄貴達にもプライドとかそういうのがあるんだよ…って聞いてねえなコイツ。
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また別の日にはもっとすごい夢を見たんだし!
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ほう…。
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太陽と月と11個の星が、僕の周りを回ってるんだし!!
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太陽と月ってのは父と母って意味か。お前それも兄貴達に話したのか?
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パパも居た所で話したし!!
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アホかお前は!!そんな話したら親兄弟もいい気持ちがしない事くらいわからんのか!!
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パパもそんな風に怒ったけど、嫉妬とかよくわかんないんだし…。兄ちゃん達は皆仲良しだし僕にだけそんな特別悪い感情持つなんて思わないんだし…。
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純粋なのはいいけど無神経なアホでは困るんだよなぁ。
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何か言っただしか?
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いや何でもない…。
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当人の思惑はともあれ、兄たちは当然、ヨセフをますます疎んじるようになりました。
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ほら見ろ、「夢見る人」のご登場だ。
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晴れ着ヒラヒラさせて、いい気なもんだ。
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もう殺してしまおうか。「夢」がそれでどうなるか、見ものじゃないか。
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兄弟全員この顔か。 しかしいきなりだな。いや、これまでの不満が爆発しただけかもしれんが。
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この場では俺はルベンか。…いや、何も俺たちがわざわざ手を血で汚す事はない。そこの深い竪穴があるだろう、あそこに落として知らんぷりしておけばいいさ。
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さすが長兄、いい考えだ。じゃあ早速。
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え、兄ちゃん達何を、え、あーれええええええ!!
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こうしてヨセフは兄たちに晴れ着をむしり取られた上、竪穴に捨てられてしまいました。
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酷いだし、どうして僕がこんな目にあうんだし!しくしくしく。
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まだ自分の態度が招いた事態だと解ってないっぽいな…。だがまあ、ほとぼりが冷めたら後で助けに来てやるからそこでもうしばらく泣いてろ。
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ルベン兄さん、どうかしたかい?
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え、いや、4男のユダか。何でもない。さあ、これでせいせいしたな!
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そうだね!
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そうだね!(とはいえ殺すことはないしなぁ…何とか助けてやれないかな…
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10人の兄の中で長兄ルベンと4番目のユダは、ヨセフの命を奪うまでの事はしたくないと考えていましたが、この二人は意思の共有が出来ていなかったため、不幸なすれ違いが生じてしまいます。
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祝杯かねて昼飯にしようぜ!
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お、おう…。そんじゃ俺はあっちの用片付けてから来るから先にやっててくれ(夜にでも迎えに来てやろう、あいつも少しは反省するだろう
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いってらっしゃい(長兄が居ないうちに何とかしてやれないかな
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あっちから旅の商隊が来るぞ。からまれると面倒だしここを離れようぜ。
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え、えええ(放置!?じゃあヨセフは干からびて死んでしまう…!!何とか助ける方法は無いか…!?
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どうしたんだユダ、何か商隊に用でも?
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え、いや、ほら、その…。ヨセフをね、このまま野垂れ死にさせるより、あの商隊に売ってしまったら僕達の小遣いにもなるしいいんじゃないかと思ってね。
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おおー!お前なかなか悪知恵が働くなぁ!!
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君たちに言われたくないな…。
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何か言ったか?
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いや、何も。
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そんなわけで、ヨセフは商隊に銀貨20枚で売られて奴隷としてエジプトに行く事になってしまいました。
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嫌だしー、奴隷なんて酷いしー、パパ助けてだしー!!
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殺されるよりマシだと思え、ヨセフ…達者でやれよ。
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ユダ兄さんー!
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その後、こっそりと穴にヨセフを助けに戻ったルベンは大慌て。ユダ他の兄弟も売りましたとはとても言えず、残された晴れ着を獣の血で汚して父イスラエルには「ヨセフは獣に食われて死んだ」と報告したのです。
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…父さん、えらい悲しんでたな…
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あれだけ溺愛してたしな…。
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…考えてみたら…年老いた父の楽しみをわざわざ奪う事も…なかったかな…。
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こうして、イスラエルは息子を偏愛した罪で、ヨセフは兄たちの気持ちを思いやれなかった傲慢さで、兄弟たちは同胞を妬み憎んで手を下した事で、それぞれ神から報いを受ける事になったのです。
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所で、ここで創世記では一章を使ってこの4男ユダの今後の家系の事が書かれているんだが…
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えっ、兄さん何の話?
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もうお前の兄さん役ではないんだ、すまんな。そんな訳だし今回はヨセフの話なのでユダの話は割愛だ。
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あああ、折角いい感じの役だったのにもっと出番をー!!
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さて、エジプトに売られたヨセフですが。
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考えてみたら兄さん達もきっと色々辛い立場だったのかもしれないし…。僕は僕で与えられた環境で何とか頑張ってみる事にするし…
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えらい反省したんだな。
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いつでも前向きなのが僕の長所だし!さあ、ご主人はどんな人かな、バリバリ働くしー!
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エジプトでヨセフを買ったのは、ファラオの侍従長ポティファルという高官でした。彼はヨセフの聡明さを見抜き、早々に食事以外のすべての仕事を任せました。
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真面目に働くのは楽しいし!神が見守ってくださるから何でもうまく行くんだし!この家の財産もどんどん増えるんだし!!
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トントン拍子でうまくいってる…と思ったらとんでもない誘惑が。
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ヨセフはよく働くいい子ねぇ。なかなかの美形だし、今夜お姉さんの布団にいらっしゃいな。
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誘惑というより悪魔の罠としか思えない人選だし。
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ポティファルの奥方な。一応美人だぞ。
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美人でも魔物でも、上司の妻と姦通なんて罪は神様に顔向けできなくなるからゴメンなんだし。逃げるし。
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逃がさないわよー!!さあ来なさい、女に恥かかせるんじゃないわよ!
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助けてだしー!!
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ヨセフは掴まれた衣を脱ぎ捨てて逃げ出します。それに怒った妻は残された衣を証拠に夫に「ヨセフに襲われた」とウソをつきます。それを信じたのかそれとも家の体面のためなのか、ポティファルはヨセフを監獄に入れてしまったのでした。
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ああ、ここでも僕の有能さと美しさが僕の邪魔をするんだし…。かわいそうな僕…しくしくしく。
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こいつ根本的な所は変わってねえなぁ。
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続きます!