第3話

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ただし、世界の銃の歴史を学ぶの巻 第3話

鉄砲とアメリカ! 銃や全米ライフル協会,ジャイロ効果を交えながらわかりやすく解説

2015/12/04

メトロ

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全米ライフル協会 ジャイロ効果 世界史 独立戦争 ゲリラ戦術 ロビー団体 マシンガン オバマ大統領 独立 戦争 アメリカ

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  • 銃の歴史についてただしに聞かれ、文字通り火がついてしまったサトルの勢いは止まらない…前回までは火薬が生まれ、火縄銃の話まで終わりました。このあとはライフル銃が登場するみたいですね。

ふむふむ
www
(^ω^≡^ω^)
おまwww
  • さて、イギリスが戦列歩兵を強化して世界中を支配したというところまでの話だったな。

深い
  • その原動力になったのがマスケット銃の発達で、なんでアメリカが独立できたんだし?というところの話からが続きだし。

  • ただし、アメリカといえばどんなのイメージがある?

  • 銃の国だし!みんな銃で武装して年がら年中バンバンしてるんだし!

  • 銃の国というのは間違っちゃいないが、年がら年中銃撃戦はしてないだろう…。せいぜい年間3万人が銃で死んでいるくらいだな。日本の自殺者と同じくらいだ。

そうなのか
  • じゅうぶん死んでるだし!っーか日本の自殺者多すぎだし!

  • まぁ、先進国では一番銃の殺人事件が多い国なのは間違いない。また、アメリカに出回っている銃は合法的なものだけで2億丁を超える。100人あたり88丁の銃がアメリカにある計算だ。

  • ほとんど一人一丁だし…そんなに銃があってどうするんだし!規制するべきだし!

  • オバマ大統領も銃規制を進めたい考えだが議会の反対も強く、せいぜいマシンガンの購入に規制をかけるのが精一杯、という状態だな

  • 個人がマシンガンを買えるって時点でどうなんだし…反対が多いのは、なんかロビー活動が激しいからだし?死の商人は許せないだし!

  • たしかにアメリカ最大のロビー団体は全米ライフル協会(NRA)と言われている。なんせ会員数450万人を抱えていて、一票でも稼ぎたいアメリカの政治家にとっては銃規制を叫ぶことは命取りに等しい。しかし、それ以上に憲法で銃を持つ自由が保証されているんだ。

  • け、憲法が銃を持つ自由?じゃ、アメリカ人から銃を取り上げるのは憲法違反なんだし!?

  • そういうことになるな。1791年に成立した権利章典第2条では武装権として「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」とある。

ふむふむ
  • ちょっと待つだし?民兵って、アメリカは兵隊以外の軍隊を認めてることってことだし?

  • 日本からすると信じがたいんだが、アメリカでは「国家権力が人民の自由と権利を犯すとき、国民は武力で持ってこれを打倒する権利」があるんだ。だから、武力を国家が独占してはならない、ということだな。

ふむふむ
日本人は法律の奴隷だから
  • ちょっとめまいがしてきただし…。なんでこんな謎な憲法が成り立ったんだし!?自分の政府を武力で打ち倒すってのが信じられないだし!

  • アメリカはもともとイギリスの植民地だったが圧政から武力で独立した国だからな。独立戦争当初、アメリカには正規軍は存在しなかったんだ。独立戦争でイギリスと戦う中核になったのは「ミニットマン」と言われた民兵だった。

ミニットマンといえばICBM
  • 民兵って、テロリストのようなものでないのだし?そんなのでなんでイギリスに勝って独立できたんだし?

  • ミニットマンの大半は軍事訓練を受けていなかった。しかし、多くの猟師が独立戦争に加わっていた。猟師ということは、銃の扱いや狩りに長けていたんだな。

  • でも、当時の銃はぜんぜん命中率が高くないといってただし?それなら数を揃えて一斉射撃のできるイギリス兵のほうが強いんでないだし?

  • ところが、ミニットマンはそのイギリス軍に対してまともに隊列を組んで戦わなかった。それに、彼らが使う銃は「ライフル」という従来のマスケットとは大きく異なる特徴があった。

  • ど、どんな特徴だし?ビームが出るとか、自動追尾機能付きの銃弾とか魔弾とかそんなんだしか!?

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  • んなもん、現在でも実現してねぇよ。ライフルとは「銃身に溝が刻まれた銃」と定義されるな。それにくらべて、マスケットは銃身がつるつるだから「滑腔銃」と呼ばれる。

ふむふむ
  • つまり、銃の中がぐるぐる線が刻まれているだけだし?それだけで何が変わるんだし?

  • これは大砲での結果だが、溝を刻んだ大砲の発射実験をした時、当時の大砲の5倍の速度で撃ちだされ、3倍以上の距離を飛んだ。ちょっと溝を刻んだだけでこの効果だ。

  • 溝すげーんだし…。なんでそんなに威力があるんだし?

  • 物理的には、ジャイロ効果という現象が発生するからなんだな。

魔球ジャイロボール
  • ジャイロ効果ってなんだし?すごい音痴で敵を倒すのだし?

  • ジャイアン効果って言いたいのか?殴るぞ?

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ジャイ子効果w
  • 既に殴ってるだし…

  • ジャイロ効果とは、わかりやすくいえば「モノが回転している間は安定しようとする現象」だな。コマがまわっている間に倒れないだろ。アレと同じだ。

ツェペリの鉄球ですよ
  • それと銃の命中率とどう関係あるだし?

  • ちょっとは頭使えよ…。銃身に螺旋が刻んであるということは、弾に回転を与えることだ。

  • ジャイロ効果で弾が安定してまっすぐ飛んで行くのだし?

  • そうだ。投手の技の一つに、ナックルボールというのは知っているか?

  • 落ちる魔球と言われるやつだしね。ほとんど回転をかけないで投げるのがコツだし・・・って、そういうことだしか!

ふむふむ
  • ほう、気づいたようだな。野球ボールに回転を与えないと、ボールは不規則に飛んでゆくんだ。逆に、回転を与えることでカーブやスライダー、フォークなどを投げられるわけだな。

  • なるほどだし!難しいことはよくわからないけど、「弾に回転を与えると命中率が上がる」ことはイメージが湧いただし!

  • 独立戦争の話に戻るが、主力になった民兵に猟師が多かったとは話した。狩猟というのは当然ながら遠くの動物を正確に撃たなければならないだろ。命中精度が悪い銃では何発撃っても当たらない上、銃声に驚いた動物が逃げてしまう。狩猟用の銃は軍用銃より精度が重視されるんだ。

  • ほーん、軍用銃がその時代の最高の銃を装備していると思っていただし!

  • いや、マスケットも地味に改良は続いていたから、あながちイギリス軍のマスケットが最先端でないというわけではない。ただ、指向性の違いだな。また、猟師ということは、身を隠したり森林を駆け巡ることが得意だろ。つまり、イギリス軍からみれば、見えないところから一人ひとり撃ち殺されていくんだ、たまったもんじゃない。

  • なら、イギリス軍もライフル銃を装備すればよかったんじゃないだしか?

  • ただ、初期のライフル銃には大きな欠点があった。弾をしっかり回転させるために、弾が銃口より少し大きくなくてはいけない。逆に、マスケットは銃口より少し小さいからするりと入っていくな。それはどういうことかわかるな?

  • えーと、弾をこめるのが大変ということだし?

  • そうだ、狩猟ならゆっくり弾を込めることができるが、戦場では当然ながら一刻を争う。もたもた装弾してい撃ち殺される可能性も高くなる。

  • それはいやでし!

  • また、猟師が活躍できるのは森林や山地に限られる。平地に出てしまえば圧倒的にイギリス軍が優位だった。実際、死傷者数は独立派もイギリス軍も同じくらいだな。

  • なら、なんでイギリスはアメリカ独立を認めたんだだし?

  • 民兵がゲリラ戦術でイギリス軍に消耗を強いたこともあるんだが、その間にフランスとアメリカが同盟を結んだこと、アメリカ大陸軍が編成されたことでイギリス軍に対抗できる戦力を確保できたのが大きい。特に、フランス海軍がイギリス海軍に勝ち、イギリス軍が兵士の補充・補給できなくなったことがある。最後の決戦となったヨークタウンの戦いでは、大陸軍9000人とフランス兵7800人で6000のイギリス兵を包囲・降伏させた。

へー
  • ふーむ、最後はやはりガチンコの戦いが必要なんだしな…。民兵はやっぱり時間稼ぎにしかならなかったのだし?

  • いや、民兵の活躍がなかったら独立できなかったのも間違いない。だからこそ、権利章典第2条が成り立っているんだろうな。それに、独立戦争後、イギリスも本格的にライフルの開発を進めている。

  • 充分脅威として感じていたということだしね。

  • そういうことだな。というわけで、次はプロイセンで開発されたある銃についてだ。

  • どこまで続くんだし…

  • 俺の気が済むまでだ。途中で帰ったら撃つぞ?

  • ひぃ、なんだし!

続きはよ
  • つづく

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